内容説明
胃潰瘍になったとたん、さんざん私を足蹴にしてきた悪妻の態度が豹変した。いったい何を企んでいるんだろう―ささいな不安が入院を機にどんどんふくらんでいく。キャリア7年のデキる看護婦・津久井佐保もそんな患者のケアに四苦八苦。揺れる心を抱えた患者たちと病院スタッフが繰り広げる大騒動。あなたにもこんな不安が訪れるかも!?書き下ろしユーモア連作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
17
病院。そこは患者・・・いや人間の一番の本音が出る場所。著者は看護師の経験を元に、ユーモアを交えながらももしかしたらありえなくもないブラックな物語をつむぎだしてゆく。短編はそれぞれにオチがあり、さらっと読める。そして12人目の患者とは? 軽めの小説ですが、その裏に人間に対する洞察があると感じました。2013/02/22
草薙香里
3
まさか伏線が有ったとは…。新人ナースをよく書く人だと思っていたので、中堅ナースの話というのは面白かったです2014/07/18
アーノルド
2
入院患者の不安を描いた連作短編集 御陰様で此処まで入院経験も無く過ごせたもので、入院患者側の視点・心境が伺え新鮮でした 見舞い客の多少有無等々から崩れていく患者同士の人間関係 そんな気苦労から、症状以外の病を抱えてしまいそうですね 総評として、茶目っ気ある話から少しシリアスな話まで読物として充分楽しめました 津久井佐保の、『なぁんだ』のトラウマには心傷みました2016/12/08
4545
1
漫画「おたんこナース」の原作者ですね。小説を読むのは初めて。やっぱりこれも病院を舞台にした連作集。病院で病院関連の本を読むのも良いかなと思い、読んでみました。 さまざまな症状で入院している患者12人と、それに絡むベテラン看護婦や病院スタッフの物語。どれもユーモアがあり、それなりに面白い。ただね、看護師さんのいるところで読むとね「でも、大変だよなぁ」と思うばかり。お世話になりました。看護師さん。 表紙カバーの絵は、やっぱり佐々木倫子さんでした。2004/12/16
かんぞ
0
突然の終わり方。時間潰しにはいい。2018/01/27