内容説明
明治32年(1899年)。日本の最先端を行く、港街横浜。異人の行き交う海岸通りを「はいよっ」とかけ声も勇ましく俥を引いて走るのは、フェリスに学ぶ女学生、法被姿の“俥屋おりん”。―えっ、異人館で人殺し?!怪事件の謎解きだって任せといて!得意の英語と男まさりに引く人力車、恋する心も忘れない。文明開化の横浜を舞台に、18歳のおりんの夢と冒険を描く、異色のディテクティヴ・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真作
2
明治三十年代の横浜、まだ市電がなく人力車が活躍する時代。この舞台装置がほんといいな。坂の多い街だし、未舗装路もたくさんあっただろうから、旅客輸送は大変だったろう。今に名を残す諸々の通りが敷石だったのか、砂利道だったのか、その辺りも知りたかったところ。歴史ある馬車道のガス灯も電灯に変わっていた頃だろうか。日露戦争まであと数年、当時の横浜には軍人は多くなかったのだろうか等、興味が尽きない。2025/04/29
つみき
2
この血の色を忘れない、そう言った留伊さんがどんな気持ちだったのかを思うと、胸が痛みます。出来ることなら留伊さんの気持ちを受け入れて欲しかったなぁ。生い立ちとか全部ひっくるめて好きになってくれるおりんさんを本当に大切にしたかったんだろうなと想像すると、とても悲しい。だけど、おりんさんには夢があるのだから、難しいんですよね。夢がある女性は強くて、苦しいですね。2012/02/01
kanamori
0
☆☆☆2011/10/20
MOMO
0
なんとなく中途半端な感じで終わっております。今後どうなるんだか、気になってしょうがない状態でさ。なので、もしかして作者は中途に終わってしまったこの物語を、新たな舞台へと押し上げるべく、YAミステリーとして再登場させたのかも・・??と思ってしまったわ。ただねぇ、ミステリーとしてはこちらのほうが面白く感じたんで、ちっとばかしもったいない気が・・2013/08/27
たつや
0
ブログ:http://sunnext.exblog.jp/10930444/2009/08/22