内容説明
十五世紀、百年戦争下のフランス。王家の威信は失墜、世には混沌と暴力が充ち、人々は恐怖と絶望の淵に沈んでいた。そんな戦乱の時代の申し子、傭兵隊を率いる無頼漢ピエールは、略奪の途上で不思議な少女に出会い、心奪われる。その名は―ジャンヌ・ダルク。この聖女に導かれ、ピエールは天下分け目の戦場へと赴く。かくして1429年5月6日、オルレアン決戦の火蓋は切られた…。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
K’s本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
86
よくもまあこんなネタをと感服します、良い意味で。「双頭の鷲」のベルトラン・デュ・ゲクランとは違ったタイプのようで実は根は同じの様に思いました。2022/08/15
k5
60
ジャンヌ・ダルクマイブームなので再読しました。ちょっと性愛のエピソードが多すぎて食傷する小説ではあるのですが、ヨーロッパの中世を解像度高く再現している点では本当に素晴らしいと思っています。傭兵の雇用や身代金のやり取り、食べものや建物など見てきたかのように生き生きと書かれていて、そういうディテールが好きです。2022/01/04
ロドリゲス
19
百年戦争さなかの15世紀、フランス。悪名高い傭兵部隊「アンジューの一角獣」を率いて略奪・人身売買と悪事の限りを尽くしていた傭兵ピエールは、救国の乙女ラ・ピュセル(ジャンヌ・ダルク)と出会う。 自分にとって馴染みのない中世ヨーロッパの歴史だが、史実に基づきながらも心地良いフィクション具合いです。 ただ、下巻ではジャンヌ・ダルクの処刑がどうなるのかが不安です。 ★★★★☆ 2023/10/11
かやは
19
男は傭兵に、女は娼婦に。そうしなければ生きていけなかった時代に現れた、救世主ラ・ピュセルであるジャンヌ・ダルク。中世、人の力はまだ弱く信じられるものは儚い。その中で確信に満ちた彼女の声は、戦う男たちを高揚させたことだろう。戦闘では技術はもちろんだがそれ以上に戦うものたちの士気を高めることが重要になる。この戦いは勝ち戦であり、我々には正当性があると信じ込ませること。傭兵ピエールと救世主ラ・ピュセルの関係性が今後どうなっていくか気になる。が、文章が粗くて読み進めるのに少し難儀したので、下巻を読むかは迷い中。2015/03/18
光
18
なかなか面白いぞ。ふむふむ。下巻へと進む。 2016/07/05