出版社内容情報
人間の哀しみと狂気を描く珠玉の短篇集
華やかな名前と地味な容姿とのギャップに昔から悩んでいた恵里伊は、小学校の同級生と再会して……(「内海さんの経験」)。自らの限界に直面してもがく人々の、哀しみと狂気を描いた連作短篇集。
内容説明
B(ブス)でW(わきが)の内海恵理伊は、幼い頃から華やかな名前と地味な容姿とのギャップに悩み、自信が持てずにいた。ある日、小学校で同級生だった川原谷くんと約十年ぶりに再会した恵里伊は、彼女とうまくいっていないという彼に優しく言い寄らせるのだが…(「内海さんの経験」)。どうして自分はこんな風に生まれてしまったのだろうか。現実に直面してもがきながらも、懸命に生きる人々を描いた短篇集。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞、09年『田村はまだか』で第30回吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこまんま
38
イタイのなんかはるかに通り超えて、出てくる人みんなヤバイ人です。狂気じみた妄想が入ってて、短編なんだけど、全然意味わからない思考回路の人が何人かいて、正直面白いのかどうかさえもわからない。関わりたくない人だらけで怖かった・・・・2017/01/19
エドワード
34
朝倉かすみさん、作品ごとに「同じ作者?」と思わせるレンジの広さ。若い男女を描く二編は、わかるけど、感情移入はしにくいな。「静かにしなさい。でないと」これは親のセリフだ。意味深なタイトルの醸し出す、面妖な人間関係。「いつぞや、中華飯店で」が色々な意味で人生の不思議を描いて秀逸だ。苦労して事務員の職を得た朔子が思いがけず得た町会議員の椅子。小さな町と大きな町。バイト先の中華料理店でこっそり残飯を恵んだ少年との再会。後は「パラダイムシフト」「めんちょこりんのちょんちょこりん」「ちがいますか」の言葉が心に残る。2019/04/22
ちょん
31
大好きな朝倉さん。女の気持ち悪いとこすっかり味合わせていただきました、ご馳走様でした✨(笑)もーキツい、読むのがキツい。でも何故か気持ちいい、謎の爽快感。表題作?「静かにしなさい。でないと」のフレーズがすごく好き、脳内に響いてます。最後の「ちがいますか」のおかしい具合いも素晴らしい。2020/07/21
らむり
27
朝倉かすみさんらしい、ネジが1個弛んでるような(誉め言葉!)文体で、それがまた面白かった。2013/03/14
Yun
22
7編の短編集。一言で言えば重い。だいぶ重い。そしてイタイ。ある女性たちの日常が描かれているがここに登場する女性たちは揃いも揃ってみんな重くてイタイ。たかだか200ページしか無いのに読み進めるのが大変で読了までに時間がかかってしまった。ため息と、鬱々とした気持ちでやっと読んだ。2016/08/27
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- 和書
- カッコいいほとけ