出版社内容情報
美少女アレックスとの出会いに心揺れる勝利。
オーストラリアに勝利がやってきて半年。まだかれんと連絡を取る気にはなれない。そんな勝利の前に、美少女で人気歌手のアレックスが現れる。アレックスの歌声に魅せられた勝利の心はざわめくが…!?
内容説明
かれん。…ああ、かれん。名前をはっきり思い浮かべるだけで、胸が焦がれて息が詰まる。逢いたかった。だけど、駄目だ、まだ逢えない。いや、違う、もう、逢えない―。いまだに悪夢にうなされる傷心の勝利の前に現れた金髪の美少女アレックス。無愛想で、ワガママで、最悪の第一印象だった。彼女の素晴らしい歌声を聞くまでは…。反目し合っていたふたりだが、やがて心をかよわせるようになる。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優愛
76
「無責任に勝利の見方でいてよかった」こんなに力強い味方がいるなんて幸せ者。悪夢に魘される日々の中正しい方向へ導いてくれたマスターに、離れても同じように愛しかったかれんに縋れたらどんなに楽だろう。でもその道さえも勝利には残されていないんだよね。運命を従容として受け容るにはまだ早すぎるって本当にそう。逢いたい、そう言ってくれる人が、思ってくれる人がいるんだから。日本に帰るという選択肢を増やしてほしい。言えなかった「俺も」って「逢いたい」っていつかかれんに言えるように。このままじゃまた雨男って言われちゃうから。2014/12/17
☆ゆう☆
75
今年のおいコーシリーズも2冊同時出版。最後にやっと、究極のきゅんがきた。“逢いたい”という一言がこんなにも切ないとは。苦しすぎる。やっとの思いで電話をしたかれん。我慢で押しつぶされそうになってた勝利。お互いこんなに想い合っているのにうまくいかない現実。この二人どうなるんだろう。まさかとは思うけれど、アレックスの “ヨシ、ヨシ”からの展開も気になるところ。好きとか愛してるということばよりも、“逢いたい”ということばの重みを身をもって感じた。そして共感。読了後、きっと大事な人に“逢いたい”と伝えたくなる一冊。2012/07/04
takaC
67
話としては『Ⅴ雲の果て』とセットで1エピソードのようなものだが、つまりは全20巻完結にしたいということだね。足かけ20年で。2012/06/28
扉のこちら側
65
初読。オーストラリアの描写がよい。近づいていく距離。2012/08/25
えりこんぐ
55
2ndシーズン⑥。ショーリはまだオーストラリアにいて、2人の距離は離れたまま。新キャラのアレックスが今後深く関わってくるのかな? はっきりした性格の彼女は結構好き。【積読29】2021/02/28