出版社内容情報
民衆の怒りがバスティーユ要塞を落とす!
民衆による暴動で、バスティーユ要塞が陥落。しかし勝利の余韻もつかのま、なかなか前進しない革命に、パリ市民から不満の声が上がり始め…。歴史巨編、急展開の第3巻。(解説/篠沢秀夫)
内容説明
弁護士デムーランの煽動で起ち上がったパリ市民。暴動は一気に燃え広がり、圧政の象徴、バスティーユ要塞を陥落させた。さらに、ミラボーの立ち回りによって、国王に革命と和解させることにも成功する。勝利に沸き立つ民衆だったが、食糧難と物価高は改善されず、暮らしは一向に楽にならない。再び不満を募らせた彼らがとった、大胆な手段とは―。歴史巨編、急展開の第3巻。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
56
民衆の怒りがバスティーユを陥落させました。それでも国王が動こうとしないのがその後の混乱を招いたのでしょう。革命は前進せず、パリからは不満の声が上がるのも分かります。ロペスピエールら第三市民議員の「自分たちが正義」という独裁的な考えが起こり、後の恐怖政治をも連想させますね。ミラボーはおそらくこのことを見抜いていたのかと思うと只者とは言えません。「人権宣言」が出ても困窮は変わらず、女性たちの行動が起こるのも納得できます。最後の密使との会見がミラボーにどういう運命をもたらすか気になってしかたありません。2014/10/30
KAZOO
38
小説版のフランス革命はやはり人物が主人公となっているので、世界歴史などの本で読むよりも臨場感の点で勝っています。デムーランの煽動演説で革命勃発、ミラボーの立ち回りなど結構読んでいて明治維新などとかぶるような感じがして今後が楽しみです。それにしても解説陣が豪華ですね。前回は鹿嶋先生、今回は篠沢先生です。2014/08/23
金吾
34
大勢は理念ではなく生活をするために革命に賛同すると言うのが革命の本質ではないかと感じる一冊です。生活には様々な要因があり、思ったようにはならないものだなあと感じる一方、女性たちが行動に移っていくのも納得出来ました。2021/08/14
タッキー
21
フランス革命の中でも名高いバスティーユの陥落。事件は知っていても、今まで囚人を解放したのかなぁくらいに、なんで襲われたのか知らなかったのですが、ようやく分かりました。実は囚人が目当てではなかったのですね^_^;本巻の見どころはほかにも。王をパリに拉致してしまう女性パワーにも脱帽です。さてさて、少しずつ議会から距離を置き始めたミラボー、今後どう革命が進展していくのかますます楽しみです。2019/06/05
p-man
20
3巻はバスティーユ牢獄が陥落し暴動から革命へ移行。そして、いわゆるフランス人権宣言が採択。それでも生活が困窮するパリの女性達がパンと小麦を求めてヴェルサイユ行進を開始し、遂に国王一家をパリに移動させた。いくら高邁な理想を掲げようとも空腹の前には何の役に立たない。(ダントン・マラー登場)2019/01/18