内容説明
歴史を通じて、水泳ほど親しまれているスポーツはないだろう。人間をとらえて離さないその魅力はどこにあるのか?水中に身を置く深い喜びはどこから来るのか?なによりも泳ぐことを愛し、69歳でダーダネルス海峡の横断泳に挑戦した著者が、水泳をめぐる歴史、科学、文化などあらゆる面を考察。軽快な語りとともに紺碧の海へと誘う驚異に満ちたヒストリー。2012年ブック・オブ・ザ・イヤー(エコノミスト誌)。
目次
1 飛び込む
2 ウォーターベイビー
3 水を離れた魚
4 ストローク
5 高速レーン
6 流れのままに
7 流線形
8 沈むか、泳ぐか
9 水泳術
10 泳げ
著者等紹介
シェール,リン[シェール,リン] [Sherr,Lynn]
放送ジャーナリスト、作家。30年以上、ABCニュースの記者として活躍。拒食症をテーマにしたドキュメンタリー番組制作において、アメリカ放送界で最高の栄誉とされるジョージ・フォスター・ピーボディ賞を共同受賞した。著書多数。『なぜ人間は泳ぐのか?―水泳をめぐる歴史、現在、未来』は“ワシントンポスト”や“ニューヨークタイムズ”など多くのメディアに絶賛を浴び、“エコノミスト”による「2012年ブック・オブ・ザ・イヤー」に選出された
高月園子[タカツキソノコ]
翻訳家、エッセイスト。東京女子大学文理学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
107
タイトルが非常にそそられる。なぜ子供は水遊びが好きなのか、どうして大人たちは忙しい日々の中でなんとか泳ごうとするのか、そして、なぜ多くの人が旅先に海や川や湖を選び、またそれらが見える部屋にこだわるのか、本書にこれらの疑問に対して、歴史、科学、生理学、心理学など様々な角度から探求されている。非常に面白い一冊。2016/07/26
ゲオルギオ・ハーン
24
水泳について歴史や科学、子どもたちの安全までさまざまな角度から書いた一冊。週に2,3回泳ぐ私としては頷く話が多い。118頁のカリフォルニア大学女子水泳チームのヘッドコーチの言葉の通り水とは闘うのではなく、連携する。水にはエネルギーとリズムがある。調子が良い時、水の流れを掴めている時は水が自分の泳ぎをアシストするように壁となり、流体となることを感じる。速く泳ごうと思っていなくても力んで泳ぐ時よりも速く、優雅に進むことが出来る。フェルプスが水中は我が家というのもまったくもって同感と思わず頷いてしまった。2023/09/12
くろすけ
15
「泳ぐこと」への愛にあふれた本。「スイミングはわたしのドラッグであり、セラピーであり、教会なんです」まさに同感! ここ数年泳ぐことが楽しすぎて、ほとんど依存症ではないか、どっかおかしいのではないかという不安が萌していた私に、大丈夫。世界中に仲間がいっぱいいる。偉大な先輩も沢山いると、勇気付けてくれました。「他のほとんどの依存症と違い、水泳は実際に自分のためになるし、たぶん、その効用はわたしたちの想像さえ超えている。そして泳げば泳ぐほど、ますます効用は増す。」ありがとう!これからもいっぱい泳ぎます!2013/08/04
Humbaba
10
人間はもともと陸上で生活している。そのため、泳いでいるというのは特殊な状態である。その特殊な状態は、人生における良いスパイスとなりえる。水泳を楽しむことは、人間が与えられた素晴らしい感情の一つであり、多くお人間がそれをサポートするために骨を折っている。2013/08/20
田中寛一
10
69歳でヨーロッパとアジアの間のヘレスポントス海峡6.5㎞を1時間24分、年齢グループ女性部門で第一位、放送ジャーナリスト、作家リン・シェールの本。水泳の歴史も古代に遡ってまとめてあった。人類と魚との接点、カエサルは泳いだことによってクレオパトラを女王にしたとか、教会や間違った考えから水泳が廃れたもののルネッサンスで再度光を当てられたこと、アメリカ先住民の荒々しい泳法が平泳ぎのヨーロッパ人に衝撃であったとか、興味の尽きない話題。プールの底になかなか手が届かなかったのは、よく浮く証拠だったんだ!2013/08/04
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