出版社内容情報
昔子どもだった、すべての人に贈る童話
病気の友達のため、タイムマシーンを作ろうとする少年たち(「約束」)、肉食恐竜の子を育てる草食恐竜の母(「さいごの恐竜ティラン」)、母子くじらの絆(「いのちのうた」)。忘れたものを思い出す愛の物語3編。
内容説明
自分たちにできないことは何もないと信じていたあのころ。ケンカをしても、いたずらして怒られても、ただ一緒にいるだけで楽しかった…。子どもに読ませたい物語を大人になったいま、読んでみると、深いところで切なく心の響く。打算なくつきあっていた友だち、当たり前のように思っていた親からの愛情。自分の中にあった真っ白な心。村山由佳が子どもむけに発表した三篇の本絵を文字だけで再構成。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
99
タイムマシンを作ってヤンチャの病気を治すんだ!本物じゃないって分かってる。でも何らかの光を求めて完成を楽しみに待ってるヤンチャのために必死で作る友情に熱い絆を感じるものの『約束』が果たせないまま、でも過去を繰り返し見つめ直し、未来を変えれる可能性はあることに気付いたり、お父さんと子供たちを食べられたのに、そのティラノサウルスの子供『さいごの恐竜ティラン』を育てたお母さんザウルスと、『いのちのうた』を教えながら、我が身を犠牲にしてぼうやを仲間の元へと連れて行ったお母さんくじらの無償の愛の偉大さを感じた。2016/06/23
にいにい
56
石田衣良さんの「約束」を薦められ捜索中に発見。村山由佳さんの絵の無い絵本。「約束」「さいごの恐竜ティラン」「いのちのうた」の3作。3作品とも読みやすい文で、「命」への想いを重く、尊くかつそっと語る。子供にも、大人にも響く内容。読んでもらいたい一冊。生まれたこと、理不尽さ(自然の力、人間の罪)、友情、母の愛、子の思い、切なさを一杯感じ、大事にして欲しい。幼い頃、友と交わした約束、どうしただろう、、、人間と自然との共生も。「約束を果たすには力がいる」でも過去を見つめ直し、未来は変えていける。空想を持って。2015/06/18
ちぃ~
38
(。´Д⊂)。ちょっと、これは号泣!村山由佳さんの絵本。絵はないんだけど。「約束」「さいごの恐竜ティラン」「いのちのうた」の3作品。優しく、切ない。母の子に対する愛を深く、強く受け継ぐ。読みやすい文で、「命」をそっと語る。大人にも響く。読んでよかった一冊。理不尽な自然の力、人間の罪を感じ、大事に考えて欲しい。「約束を果たすには力がいる」でも過去を見つめ、未来を作っていける。村山ワールドのエッセンスが詰まっている。短く簡潔な文、言葉の選び方、文体が凄い。村山由佳さんのこういう絵本をもっと読みたい。2015/09/01
よしみん
20
短いが、詰められたメッセージは重く深い。希望がないわけではないが、すぐに前を向けるほど簡単なものではない。児童書や絵本は子供の為にあるが、実は読み聞かせる大人にも響くものだと思う。読む側の器により、形を変える。短く簡潔な文章の先にあるものを真摯に受け止めれば、世界は無限に広がっていくのだから。読んだ後、「何かを考える時間」がかかった作品。2013/09/11
はつばあば
19
私達大人へのメッセージ。しっかり受け止め、若い世代に伝言板のように残していきたい。人間がしてきた事への警鐘。「最後の恐竜ティラン」の母のように、人類と自然環境を地球規模で愛おしみたい。・・・う~ん、恥ずかしいような青い感想ですがよかったです。2014/08/09
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