内容説明
地方都市で暮らす平凡なOLの亜季子。高校生のときからつきあっている恋人・遙生は東京で暮らしていて遠距離恋愛中だが、いずれは彼と結婚するつもりでいる。新居にする予定のマンションを購入し、幸せな未来を思い描く亜季子。だが、地元に戻ってきた遙生に、東京で出逢った女性を呼び寄せて一緒に暮らすつもりだと告げられてしまう、亜季子の平凡な日常の歯車が、少しずつくるい始めて…。
著者等紹介
下川香苗[シモカワカナエ]
岐阜県出身。1984年、Cobalt短編小説新人賞に入賞、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
70
高校生のはつこい...♡ ピュアでまっすぐで、遠距離になっても私たちは大丈夫。だって約束したから。...って12年! はっきりしなかった遥生が悪いが、その薄ーーい繋がりでずっと信じてこられた亜希子。一途さが過ぎると狂気に変わるのは何でだろう。怖い∑(゚Д゚) それでも最終的に想いが叶いそうだったのにねぇ..。2019/01/30
ひめか*
33
ピュアな恋愛の話だと思っていたのに、騙された。予想以上に恐ろしい。結末もハッピーエンドといえるのか後味が悪く複雑な感情が残る。高校の時からずっと亜希子は遥生が好き。この亜希子っていう女が怖い。遥生のことが好きすぎて、遥生の婚約者だとかいう睦代の元を訪ねたり、私のことだけが好きなのだと何度も言い聞かせたり。確かに気持ちはわかるけど重くて背筋が寒くなった。淳は亜希子のことを取られたくないから、わざと遥生から離れさせるように結婚式であのようなことをしたのだろうな。遥生は幸せなのかな。最後になるにつれ衝撃の連続。2016/10/25
らすかる
29
題名と表紙からは淡い可愛い恋愛系なおはなしっぽい匂いがする。ほんわか甘酸っぱそう。なんて思ったら大間違い! 「はつこい」とゆう遠い幻想に壊された狂気のものがたりΣ(゚ω゚ノ)ノ ひたすら自分の幻想を現実にしようとする亜季子が痛々しくも恐ろしい。好きってエネルギーは方向性間違えると凶器になるんですな(o-´ω`-)2018/08/19
美海
25
表紙の絵に惹かれて購入、結末は何が言いたかったのか少し疑問も残りましたが文体も読みやすく短めの作品だったので良かったです。昔の思い出に浸るあまり現実の彼すらも自分のものにしてしおうとする亜季子、表紙の儚げな美しさとマッチしていて素敵でした。2016/06/21
ひほ
21
読友さんの紹介により図書館で借りて読了。最初は淡い初恋のお話かと思ったら、ラストは・・・。後味の悪いお話でした。2014/11/08