内容説明
いつのまに、彼女はここまで凛ときれいになったんだろう。久々にふたりで過ごす休日、“おとなの女”になったかれんに、愛しさが募る反面、焦りや不安を感じる勝利。ひとり東京に戻り、一緒にいられない理不尽さに悶々としているころ、大家の裕恵さんの義弟が帰国する。一方、喫茶店『風見鶏』のマスターの身辺もあわただしくなる。かれんの同僚だった桐島先生の視点で描くサイドストーリーも収録。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とら
66
いつもの日々の中でふと、ああ、幸せだなあ…と感じることこそが、幸せの最高峰、至高のものなのだと思った。何気無い繰り返しの日々を当たり前の様にこなす…と言ったら何だかマイナスなイメージかもしれないけど、自分はそうは思わない。その繰り返しの中で、一回でも幸せだなあと感じたならば、それがこれからも繰り返されるわけで、結局の所、いつまでも幸せが持続すると言う事態になっているのだ―でもそこに至るまでには勿論大変な道のりがあるわけで、いつか日常の中でふと幸せだと感じるその至高の一瞬の為に、今生きているのかもしれない…2014/06/05
優愛
65
「記憶の生き物なんだな、人間って」だからこそ二人で過ごした時間はかけがえのない思い出なんだ。勝利はいつだって鋭い言葉で核心を突く。周りを見過ぎてしまっているのも彼の一つの長所。だから悩みを機にかれんとの自分じゃなくてたった一人の自分とも向き合う時間をもう少し。もっとゆっくりって言いたかった。もう振り返ってもらえなくなってからじゃ遅いから。悩みが引き金となり、何か問題が起こる予感がしてしまいどうしようもなくはらはらします。かれんが親友と話す中で見える勝利への想いも聞けて嬉しい巻でした。2014/12/16
だまだまこ
54
おいコー再読、12冊目。部活でスランプの勝利に対して掛ける原田先輩の言葉がいつも正しくて好き。後輩は、結果を出せる人よりも、教え方の上手い人を求めて勝利に相談に来るということ。基礎の基礎を繰り返してスランプを抜けた先輩って、確かに頼りになるだろうなぁ。そして、今回のサイドストーリーは保健の桐島先生の話。女友達に恋を打ち明けるかれんの姿はとても貴重で、ニヤニヤしちゃう。そしてマスターと由里子さんの妊娠発覚。風見鶏でのしあわせな時間。こんな時間がずっと続けばいいのに。2020/06/01
えりこんぐ
49
2ndシーズン②。落ち着いたラブラブモードの回だった。サイドストーリーは養護教諭の桐島先生。え、あの人と付き合ってるの?? 気になるのでそちらの作品もいつか読もう♪【積読105】2020/11/25
ichi-papa
44
セカンドシーズン第2巻、まだまだ「甘い」です。ショーリとかれんのあま~~い恋を、まるでのろけを聞かされているような気持ちで読んでいました。ただこの巻は最後に収録されているサイドストーリーがよかった。こういうふうに違った視点からお話を語るのって、新鮮でいいですよね。2021/02/03