内容説明
ぼくを混乱と哀しみに突き落とし、あいつは町から消えてしまった―。中学生の幸彦は、友人綾瀬に崖から蹴り落とされて大好きなバスケができない身体になってしまう。無気力な日々を送るなか、目の前に現れた天才科学少年中川、オカルト少女かごめ。やがて幸彦の周囲に奇妙で不可解な現象が起こり始め…。繊細にして圧倒的スケールの青春小説登場!第19回小説すばる新人賞受賞作。
著者等紹介
水森サトリ[ミズモリサトリ]
1970年東京都生まれ。2006年『でかい月だな』で第19回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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エセ文系本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
98
なんか不思議なお話でした 友人に崖から蹴落とされバスケが出来ない身体になったユキ、退院して学校に復帰すると廻りで次々と不可解な出来事が・・・ うーん、雰囲気はいいんですけど、好き嫌いは分かれるかなぁ 中川君とかごめちゃんが助演男優・女優賞かな!?(笑) 2012/08/25
優希
90
これぞ青春という感じです。無気力な日々を変えるような出来事が繊細でありつつ、壮大な風景を見せてきました。突如現れたオカルト少女がきっかけで日常が全く違うものになるのが奇妙だけれど、それでいいような気になります。青くて惜しい感はありますが、可能性を秘めているように思えます。2017/07/26
takaC
79
小説すばる新人賞受賞作だと知ってて期待半分、不安半分(?)で読み始め、どっち寄りなのか考えながら読み進めていたら、存分に話を堪能できなかった。で、結局どっち寄りだったのかよく分からず。注文つけるとすれば話の長さかな。でもやっぱりこの長さは必要なのかな。2016/02/19
dr2006
57
人の心は完全に理解することは出来ないし、伝える手段も無い。だから人は他人の心を想像し折り合いを付けて生きている。人は互いに相容れないということを人より早く諦観すると、若い協調化集団からは浮いてしまう。主人公幸彦は友人綾瀬に崖から蹴り落とされ大怪我をする。療養後1学年下のクラスに復帰したが、皆から腫れもの扱いされ、無為な日々を過ごしていた。そんな中、錬金術同好会会長の中川に声を掛けられる。この作品には犯罪被害者を気遣う集団意識と、本音でぶつかり合う友情が書かれているが、昼間に見る月の様に朧げで幻想的だった。2019/12/01
らぴ
46
単なる青春ものではなく、ちょっとオカルト? SF? チックな話だけれど、キャラクターが魅力的で最後までおもしろく読めた。中学生くらいの時期ってこんなふうに周りに対して理不尽に怒りを抱いたり、それでいて弱い自分を認めて許して欲しかったり、いろいろもやもやしたよなぁ……なんて、懐かしかったり。2010/08/26
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- 和書
- ふたつの夏