内容説明
桜田門外で井伊大老が暗殺されるなど、開国に傾いた幕府に対し、尊王攘夷の気運が高まっていた。龍馬は畏友・武市半平太が結成した土佐勤王党に参加。会談した長州の久坂玄瑞などの過激な考え方に違和感を抱く。勤王党の藩執政・吉田東洋暗殺計画を知って煩悶する。捨て石になることも、人を殺めることも自分は納得しがたい。龍馬は脱藩して我が道をゆくことを決断。勝海舟の門を叩くのだった。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年3月23日和歌山市生まれ。東北大学法学部卒業。78年『深重の海』で第79回直木賞を受賞。95年『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞。97年紫綬褒章、2003年旭日小綬章を受章。05年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
23
津本版坂本龍馬第2巻は、土佐という小さい土地を後にした龍馬が勝麟太郎という師をえて、自分だけの羅針盤で、幕末という時代に打ってでるまでを描く。千葉佐那の恋心が、穏やかで密やかなだけに心に残る。2010/11/11
SHOGO THE SB
3
俺は天下の人傑にことごとく会うて、その知恵を分けてもらいたいと思うちゅう 麟太郎は、小楠が日本は仁義の大道をおこし、世界の揉めごとを仲裁する国にならねばならないと主張しているという。2018/09/30
アマデウス
3
当時、脱藩がそこまで罪なことではなかったという指摘が新鮮。脱藩しても平気で藩邸に出入りしてたりね。天誅が横行する物騒な時代には間違いないが、いい意味でいい加減で明るいエネルギーに満ちている様子が垣間見えた。勝師匠と出会い、その紹介もあって当時のオピニオンリーダーたちに話を聞きまわるあたりに早くも「ひとたらし」の片鱗が窺える。2010/03/19
アイゼナハ@灯れ松明の火
3
1巻ではボンボンのイメージが強かった龍馬も、いよいよ実家の後ろ楯を離れ脱藩して世の中に出ていきます。風に流されず実学のある人たちとの交わりを深めていく龍馬の話と並んで、幕府・朝廷・薩長土藩それぞれの組織の中にも意見の対立や思惑があること、一方組織ではなく「攘夷」という思想の中に自らを置く下級武士たちの血生臭い活動が語られ、偏らずに「幕末」という時代に触れている気分になりました。面白いです。2010/01/10
yasu7777
2
★★★☆☆ 練馬3070-4032021/09/08