内容説明
土佐藩郷士の家に生まれた坂本龍馬は病弱な少年だったが、次第に天性の剣才を発揮していく。ジョン万次郎からアメリカの文明について聞き、まだ見ぬ世界への期待に夢を膨らませる。親友の妹との結婚を約し、江戸遊学へと旅立つ。佐久間象山を知るなど見聞を広めるうち、黒船の来航で日本の現状を目の当たりにする。帰郷した龍馬を待っていたのは…。等身大の実像に肉迫した歴史巨篇、ここに始まる。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年3月23日和歌山市生まれ。東北大学法学部卒業。78年『深重の海』で第79回直木賞を受賞。95年『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞。97年紫綬褒章、2003年旭日小綬章を受章。05年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yasu7777
3
★★★☆☆ 練馬3068-4012021/09/07
アイゼナハ@灯れ松明の火
3
若い頃から開明的な龍馬像って結構新鮮。いろんな人と話をして素直に知識を吸収していくとこが清々しく、気持ちよく読めました。2010/01/09
アマデウス
3
これまでで語り尽くされていたように思っていた龍馬の生い立ちについて、少し見方が変わるほど新鮮。冒頭高知弁に慣れるまでは読みにくいが、慣れてしまえばリズムが出て、しまいには自分でも喋れるんじゃないか?という錯覚を起こす。2010/01/05
ナイトは許されナイト
1
★★★2019/11/30
Kentaro
1
龍馬は伊豆の下田の湊を出て、伊勢の鳥羽に向かう土佐藩の大廻し船宝来丸の甲板に腰を下ろし、武芸修行で一年余り江戸で過ごしたことを振り返っていた。 海の向こう側の土佐では結婚を約したお琴が待っているものと思いを馳せながらも、江戸にいる間に黒船が二度もやって来て、龍馬の見聞は広がった。 ジョン万次郎から聞いた鉄道の話もそうだが、自分が見たこともない想像すらできない近代社会がアメリカや欧州では広がっている。 万次郎が言う通り、これからはアメリカなどとの自由な交易をすることが重要だと考えただろう。2018/05/04