内容説明
和菓子は日本が誇る食文化のひとつであり、季節のうつろいや人生の節目を彩る名脇役として親しまれてきた。色とりどりの美しい上生菓子から、庶民の日々の暮らしに根ざした花見団子や饅頭にいたるまで、約百種類を撮り下ろし、オールカラーで紹介。誰もが惹かれる優美な姿、茶の間の団らんとともにあった味わいを、その歴史や意味合いとともに、わかりやすくひもとく。日本ならではの感性と、職人の卓越した技が一体になった和菓子の世界へのいざない。
目次
第1章 季節を映す美しい和菓子(春;四季の楽しみ;夏;菓銘の文化;秋;匠の技と個性;冬;和菓子の材料)
第2章 できたてを食べたい日常の和菓子(朝生菓子)
第3章 全国各地に伝わる伝統の和菓子(干菓子;伝統のお菓子 羊羹、最中;包む文化;伝統のお菓子 大福、饅頭)
著者等紹介
藪光生[ヤブミツオ]
全国和菓子協会専務理事。現在、全日本菓子協会常務理事、日本菓子教育センター副理事長、専門学校講師なども兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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rico
76
西洋菓子は積み上げる、和菓子は包む。なるほど。その歴史、材料や技法の解説はは簡潔でわかりやすい。西洋菓子の「焼く」技法が入ってきて、さらに世界が広がるあたり(ドラ焼き!)思わず拍手。そして何より、美しい写真で紹介された生菓子の数々。ひとひらの花弁、愛らしい小動物、可憐な木の実・・・。まさに眼福。小さな和菓子には、日本の美しい四季とそれを愛でるゆかしい心もちがぎゅっと詰まってる。何かと落ち着かないこのご時世ですが、あったかいお茶と桜餅でもいただいて、春の午後のひとときをゆるりと味わいましょう。2020/03/16
しいたけ
72
著者藪光生さんは全国和菓子協会専務理事だそうで、業界の色々なお仕事をされているそうです。もう和菓子大百科です。この小さな本の中に、美しい写真やら歴史やら材料、豆の育ち、作り方、いわれ、業界用語、全てにおいて緻密に繊細に奥深く書かれています。さすが和菓子職人です。よって私には難しかったです。覚えられるはずがありません。枕元において寝る前に読んだり眺めたりしようと思います。勉強しつつ、少しずつ味わう機会を作っていけたらと夢見てうっとりしています。水無月さえ食してないのに(^_^;)「和菓子は五感の芸術である」2016/07/03
TakaUP48
52
「洋菓子は積み上げる文化、和菓子は包み文化」。美しさ、美味しさに心を奪われていたが和菓子は何とも奥が深かった。余り着目しなかった材料でみると、豆類の代表小豆は、餡粒子を持つ澱粉で、赤色は邪気を祓うで重用。米粉は、粳米(上新粉・上用粉)・糯米(求肥・白玉粉)と多種。砂糖は保水性があり生菌繁殖を防き、色は白ではなく透明。どら焼き表面の茶色は褐変反応によるとは知らなかった。江戸時代の寒天の誕生で練羊羹が生まれる。四季折々細かくは二十四節気毎に変わるお菓子や朝生菓子に干菓子など、日本人の繊細さと奥ゆかしさを確認。2020/03/27
鷺@みんさー
47
上生菓子って芸術品どすなぁ。職人技の見せ所どすわ。まぁるい優美な形に、ぐらでぇしょんのほんにきれぇなこと。そら、お高いどすけどな、おうすと一緒にいただいて、目ぇと舌で季節を感じますねんえ。はぁ…結構なお点前どした。へぇおおきに。ほなまた。2018/12/02
tomi
42
オールカラーの写真が美しい和菓子の小さな百科事典。文中に「五感の芸術」とあるが、まさに美味しい芸術品。水羊羹、おはぎ、どら焼き、最中といったお馴染みのものも、いわれや作り方など丁寧な解説とともに紹介されています。甘いもの好きなのに「煉り切り」「ぎゅうひ」などの意味も良くわかってなかったので勉強になりました。 2017/01/05