内容説明
定年後、暇をもてあまして図書館通いをしていた須河内賢三は、同じ境遇の桐峰と出会った。会社勤めの思い出話で意気投合した二人のオヤジは「会社ごっこ」をしようと思いつく。駅前の喫茶店をオフィスに見立てて、「出勤」する毎日が始まった。やがて、会社ごっこは定年世代の男たちの熱い支持を得て、全国に拡大していく…。働くことの意味を独自のユーモアとペーソスで描く長編小説。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫 綺
107
単行本にて読了。モノと金は仮想の、本格的「会社ごっこ」というシュミレーションゲームという設定が面白い。それを通して実際の会社のあり方や高齢化社会のあり方、突き詰めれば家族のあり方までにまで問題提起しているように思う。2014/05/04
W-G
84
原宏一さん4冊目。これはかなり面白かった。会話のテンポも軽快であっという間に読了しました。色々と裏に走っているテーマも濃いめなんだけど、どこまでもライトな読み口で楽しめますね。2016/02/06
mr.lupin
70
定年退職をした元サラリーマン達がフェイクで会社を立ち上げる。その名も「株式会社ごっこ」 最初は順調に進んでいくが途中からちょっと様子が… フェイクのつもりがだんだんと別方向へ。でも会社ごっこする程会社と言うのは楽しい場所なんだろうか? そこが今一つ理解できなかったかな。☆☆☆☆★2019/02/09
めだか
57
今でいえばNPOなんだろうなぁ。でも、会社の在り方とか働くってということを考えさせる作品。就活中の学生さん、息抜きに読んでみては?2009/12/04
chikara
49
会社勤めの様式美という言葉がありましたか! 「絵空事」「馬鹿正直」「度外視」という会社理念! 企業戦士として時には汚れ事すら厭わず、只々会社の発展に貢献してきた定年退職者達の繰り広げるドラマと、その企業戦士を支え続けた主婦の視点、さらにその企業戦士の子供達が悪戦苦闘する混沌とする現代の世情が交わる極めて面白い物語でした。2018/08/02