内容説明
世界への愛がひとりの女性への愛と化合する。その私的で詩的な記録―。22歳で発表された生と愛への讃歌が、半世紀の時を超えて日英の二カ国語版で文庫に。36篇の未発表詩を新たに収録した、新版にして決定版。
目次
1(木蔭;憧れ ほか)
2(世界の中で私が身動きする;ひとが私に向かって歩いてくる ほか)
3(誰が知ろう;存在のもつ静寂は時に ほか)
未発表36篇(朝;留守 ほか)
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年12月東京生まれ。詩人。52年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。62年「月火水木金土日の歌」で日本レコード大賞作詞賞、75年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、82年『日々の地図』で第34回読売文学賞、2005年『シャガールと木の葉』『谷川俊太郎詩選集1~3』で第45回毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
77
谷川俊太郎さんが22歳で詠んだ詩の数々。それは祈りのような愛と生の歌でした。美しい青春の世界が心地よく、無限の景色が広がっているようです。優しい言葉がすっと入ってきます。シンプルな言葉でしっとりとした世界があると思いました。心震える素敵なソネットに魅せられました。折りにふれ、大切に読んでいきたいです。2015/11/15
おくらさん
19
あぁ、、こんなにもコトバの余韻が押し寄せてくるとは。声に出して読みたくなるコトバは 曇りの日にも、朝でも夜にも読む時間を選ばない。 谷川俊太郎の軌跡が感じられる。 「昼には青空が嘘をつく/夜がほんとうのことを呟く間私たちは眠っている/朝になるとみんな夢をみたという」 明日も明後日もページを巡りたい。2020/05/09
風花
15
1953年出版の『62のソネット』に、未発表の36篇をあわせて文庫化されたもの。書かれたのはいずれも1952年春から翌年夏までの間で、谷川さん20代はじめの作品だという。ただでさえ感受性の高いこの時期に、この時すでに「詩人」であった谷川さんのよむ詩はもはや、人の頭で作られた言葉ではなく、谷川さんの深層あるいは自然や宇宙といったものから、なにかを受け取った証であるように思えてならない。→2017/05/20
H2A
13
谷川俊太郎によるソネット。後ろに全詩の英訳版も載っているので、平行して読むとそれが詩の解釈でもあるのでかえって理解を助けられる。キータームがあって、平易なのだがいくつか関連付けるとおもしろい。そんなことを思いながらちびちびと読むのが良かった。こちらは紙書籍。2024/08/24
うさこ
11
すっと入ってくるやさしい言葉。ゆったりとした気持ちでほんわりと読みたい詩集。日本語っていいものですな、としみじみ感じ入りました。2014/06/01