内容説明
「顰蹙は金を出してでも買え」「新しく出ていく者が無謀をやらなくて一体何が変わるだろうか」。百人中百人が失敗を予見する中、幻冬舎を創立し、常識破りの戦術で上場企業に押し上げた著者。その根底には文学に対する熱い想いがある。作家、ミュージシャン、演劇家などさまざまなジャンルの表現者との濃密な交流は、まさに終わりなきデスマッチ。痛みのないところに前進はない。精神の格闘家、激闘の記録。
目次
序章 悲惨の港を目指して―暗闇のなかでの跳躍
第1章 SOUL OF AUTHOR(傘をなくした少年尾崎豊;『誕生BIRTH』尾崎豊 ほか)
第2章 SOUL OF EDITOR(三人の大家ときらめいている新人三人を押さえろ;自分を変えるものしか興味はない ほか)
第3章 SOUL OF PUBLISHER(常識って、僕より無謀です;見城徹の編集作法 ほか)
オンリー・イエスタディ あとがきに代えて
著者等紹介
見城徹[ケンジョウトオル]
1950年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。75年角川書店に入社。93年角川書店を退社し、幻冬舎を設立。2003年ジャスダック上場(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
46
最近、書籍や漫画の編集者ものといえるジャンルが、元気が良い。作家と編集者との熱く激しいバトルが読者の心を打つ。そんなジャンルの源流とも言えそうな名物編集者・見城氏の自伝。故・尾崎豊との交流を始め、徹底して相手と向き合い、時にはケンカもする姿勢が強さであり、魅力ですね。「ひとたらし」という代名詞がピッタリでした。一体いつ寝てるんだろうと思うワーカホリックぶりにも脱帽。文芸編集者だけに、ちょっと盛って話してるんだとは思いますが(笑)2016/06/26
姉勤
19
例えば、熱烈な宮本武蔵のファンでも、虫の居所が悪ければ斬られてしまう様な武蔵の身近に接したいとは思わないが、見城氏は、興味を持った人物の最高の「アウトプット」のためになら、それが出来る人だと感じた。 自分が斬られ、自分の屍を晒しても「見てくれ、僕の好きな武蔵はこんな見事に人を斬れるんだ」と。 実際、氏が深く付き合った作中の著名人は、その作品はともかく、人間性や行状をみれば、個人的にあまり好きではない人種ばかりだ。それは見城氏も含む。 それでも本書は大いに刺激になった。ちなみに幻冬社アウトロー文庫は好物。 2013/02/13
ユズル
17
あらためてバイタリティーのある方だなあと思いました。夜な夜な作家やミュージシャンと飲み歩きつつも、日中はちゃんと仕事をし、隙間の1、2時間でその作家達の本を読み、傍らに次取引しようとしてる作家やミュージシャンの作品を勉強し…時間の配分出来ない私とは比較にならない、足元にもおよびません。こういう方が『敏腕』と言うのだろうな。色々な作家さんとのエピソードも入って面白かったです(^_^)2016/01/09
Prince of Scotch
15
幻冬舎社長の見城徹氏がかつて角川書店で「メディアミックス」戦略に深く関与していた名物編集者であることを本書ではじめて知った。見城氏の幼少期からの生い立ちと文芸編集者になるまでの経緯が非常に興味深かった。「圧倒的な努力」で得た多岐にわたる人脈のスゴさに目が眩みそうだ。とりわけ、見城氏がアノ尾崎豊と交遊が深かったのは意外な感じがした。尾崎のブレイクに大きく関与している一人でもあるようだが…。氏の仕事に対する姿勢は瞠目すべき凄絶さがあり、常人が参考にする「仕事術」ではないかもしれない。 2018/06/02
NICKNAME
15
この著者の場合は病といえるのかもしれない。仕事としてというより止められないから・・・的な所があるのでしょう。自分は編集者とお仕事をする時があり、当たり前ですがすべての編集者がこの著者の様な訳ではないものです。著者は幻冬舎という出版社の社長でもあり、自分はこちらの出版社の編集者さんとも関わる時があるのですが、皆さん著者である社長を非常に尊敬している様に思います。大手ではないので社長のこういった人となりが会社にも反映しているのでしょう。