内容説明
少年シーナは、探検家ヘディンが記した『さまよえる湖』に出会う。その夢あふれる探検にいたく感心した彼は、長じて辺境を旅する作家となり、ついに夢をかなえた。さまよえる湖ロプノールと2000年前の幻の王国・楼蘭を訪れる旅。地鳴りを伴う風のなか海老天丼の幻影にクラクラし、ずんずん進むシーナが最終地点で見たものは?彼の原点である異色シルクロード写真紀行。
目次
砂の海(さまよえる湖;停滞;無限軌道;ゴビ灘;精霊の囁き;オアシス;ロプノール人;砂漠の貝;赤いメサ;死者と生首;燃える輝玉;砂の古城;風砂と星夜)
風の国へ(タクラマカン砂漠;オアシスの人々)
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年6月東京都生まれ。東京写真大学中退。「本の雑誌」編集長。世界の辺境地区への旅をライフワークにしている。1979年、エッセイ『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。88年『犬の系譜』で第10回吉川英治文学新人賞、90年『アド・バード』で第11回日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソラ
12
内容(「BOOK」データベースより) 少年シーナは、探検家ヘディンが記した『さまよえる湖』に出会う。その夢あふれる探検にいたく感心した彼は、長じて辺境を旅する作家となり、ついに夢をかなえた。さまよえる湖ロプノールと2000年前の幻の王国・楼蘭を訪れる旅。地鳴りを伴う風のなか海老天丼の幻影にクラクラし、ずんずん進むシーナが最終地点で見たものは?彼の原点である異色シルクロード写真紀行。 2009/05/20
ドラマチックガス
11
先日久々に椎名誠本を読み、20年ぶりに椎名欲がうずうずと。そういえば井上靖と繋がりがあるんだよなぁと検索した所、この本を発見。テレビ朝日30周年特別番組で楼蘭まで探検したときの話。いーなー楼蘭、僕もレンタカーかなんか借りて行ってみたいなーとか思っていたら、そんな生易しいものではなかった。井上靖との約束を果たす下り、そして何より楼蘭に行く椎名誠に井上靖が頼んだことがあの2つ(+1つ)ということを含め、満足した。さらにこの時の裏話的本が昨年出たらしい。よまなきゃ。2023/12/28
スプリント
11
読んでいてワクワクする旅行記です。人物描写も風景描写も雰囲気がでていて楽しめました。写真をカラーで楽しみたかったですね。2015/01/16
ジュースの素
10
ヘディン以来、54年ぶりに日中の楼蘭調査隊が組織され、椎名さんは子供の時からの夢が実現して隊に加わる事になった。もう何度この本を読む事か。中国は日本のチームに最後まで許可を出す事を渋った。中国側が用意した食事の缶詰、一日一本の缶ビール、2リットルの水、ヤルダン地形の大変さ、気温や星の事など調査に挑む面々の心境までをユーモアを入れながら細かに綴る文体が一緒に旅しているが如くよぉく解った。タクラマカン砂漠、私も縦断したが黄色い細かい砂がとにかく厄介なのだ。外国人には禁じられていたあの地域への踏破、快挙だ。2016/10/27
おーすけ
10
2008年の発売日時期に買って、ずっと読みそびれていた本。もっと早く読んでおけばよかったと思うくらい、素晴らしい内容。砂の海というタイトルも秀逸。椎名さんの風景描写もリアルで情景が目に浮かぶ。約20日間かけないとたどり着けない過去の都への紀行文。今は観光地になっているというから、当時の椎名さんがつくづく羨ましく思う。子供の頃から思い続けてきた夢が叶った時のヨロコビや感動はとてつもないものだったに違いない。2015/08/28