• ポイントキャンペーン

集英社文庫
炎に絵を―陳舜臣推理小説ベストセレクション

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087463637
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

父にかけられた革命資金横領の汚名を晴らそうと、真相を探る主人公。次々と起こる奇妙な事件、そして殺人。完全犯罪を思わせる結末に、鮮やかなドンデン返し「炎に絵を」。戦局の拡大とともに大陸を転転と避難する故宮博物院文物。若き玉器彫り職人と模造香炉をめぐる直木賞受賞作品「青玉獅子香炉」。祖国救亡運動中の劇団で起きた殺人事件の意外な後日譚「永臨侍郎橋」。3作品収録、新編集の傑作集。

著者等紹介

陳舜臣[チンシュンシン]
1924年神戸生まれ。1961年『枯草の根』で江戸川乱歩賞、69年『青玉獅子香炉』で直木賞、70年『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』で日本推理作家協会賞と、推理小説界の三冠を受賞。歴史文学の大作『阿片戦争』『中国の歴史』など著書多数。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そーいち

9
昭和の推理小説を読む。今回は陳舜臣さん。表題作の他、直木賞受賞作「青玉獅子香炉」と短編「永臨侍郎橋」も収録。表題作は陳さんの生まれ、神戸を舞台にした本格ミステリ。父にかけられた疑惑と会社での産業スパイを探ることになった主人公が事件に巻き込まれつつも謎を解明するストーリー。序盤は助長的だが、疑惑の真相をしる人物が登場してからは怒涛の展開。どんでん返しもまずまず。2つの事件の絡ませ合い具合がシンプルながら見事で感嘆とする。伏線の張り方も綺麗で唸る。タイトルがまたいい。犯人の意図がズバリ伝わるからだ。2022/01/09

koo

8
 再読。「炎に絵を」は国内ミステリ最高峰だと今でも思いますがこの濃密な作品が300ページ足らずで描かれているのが素晴らしい。死の病床にある兄の「父の汚名を晴らして欲しい」という依頼を受けた主人公葉村省吾視点で描かれるストーリー、真相究明にはかなりのご都合主義があるものの終盤の凄まじい反転とそれまでに散りばめられた伏線の見事さ、そして「炎に絵を」というタイトルの意味が衝撃でした。1966年作で40年以上前の過去を追跡する作品ながら古さを感じず再読しても非常に読みやすかったです。一読をおすすめする傑作ですね。2024/02/07

ふたし

7
直木賞受賞の「青玉獅子香炉」、「永臨侍郎橋」、「炎に絵を」の3遍。直木賞受賞作も、ミステリ色は薄めだがなかなか良かったのだが、「炎に絵を」の犯人の意外さに圧倒された。父親の汚名をそそごうと奔走する前半だけでも結構面白く読めた。2025/05/01

造理

6
★★★★☆ 横領の罪を被せられた父の汚名を晴らすべく調査に乗り出した主人公でしたが、様々なトラブルに巻き込まれ驚愕の真相にたどり着きます。殺人事件が本筋の中に上手く溶け込んでおり、ガチガチの本格ミステリとは一線を画しているところが好印象。大胆な伏線も張ってあり丁寧に作られています。2017/10/17

浅木原

3
亡き父の横領事件の汚名を晴らすべく神戸で真相を探る……という話なわけだけれども、あまりにトントン拍子すぎる前半の調査行はどう考えてもご都合主義で、でこれが名作と言われてるからにはたぶんそういうことだよなあ、と思ったらやっぱりそうだった。真犯人も当時なら衝撃的だったのかもしれないけども……。とまあ今となっては驚くには値しなくなってしまった作品だけれども、全編を通して××テーマを重ね合わせる趣向や××を××××に見せかけるあたりはよくできてるなあと感心はする。併録2編は直木賞受賞作「青玉獅子香炉」がいいかな。2015/07/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/544589
  • ご注意事項

最近チェックした商品