内容説明
この人に私はどう思われているのだろう?小学生の頃から自意識が強く、相手の視線を意識するあまり、話すより書くことを選ぶようになったという酒井さん。お葬式では美しく悲しみたいと願い、女友達の輪の中ではつい自分に順位をつけてしまう。日々繰り返される他人の視線との葛藤は、アホらしくもあり深刻でもあり…。日本人の自意識の正体に鋭く迫る、痛快エッセイ。
目次
ちかくの視線
異性の視線
社会の視線
世界の視線
自意識過剰者のつぶやき
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966年、東京都生まれ。立教大学社会学部観光学科卒業後、広告会社に3年間勤務。高校在学中に雑誌にコラムを発表し作家デビュー。辛口のコラムニストとして活躍。2004年『負け犬の遠吠え』で、第20回講談社エッセイ賞、第4回婦人公論文芸賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
513
そもそも「他人の目を意識しないで生きられる」ヒトってどのくらいいるのだろう。実は酒井さんとわたしには、女子高→共学大という共通の項目がある。いきなり(わたしの場合は地方の)女子高から、周囲は男子が多数というクラスに放り込まれ、クラスメートと目が合うたびに「彼は、わたしのことが好きなのに違いない」と思い込んでいた恥ずかしい日々(笑)・・・「自意識」うまく手なずければ、高い自己評価や向上心なんかにつながる、大切な感情だと再確認。2019/06/01
団塊シニア
50
「社会の視線」の左手薬指の威圧の内容が面白い、筆者の女とみれば薬指をみる、指輪があれば…指輪がなければ…、想像力、人間ウオッチングが鋭く楽しく読める内容です。2014/01/20
showgunn
19
最初に出版されたのが1994年、ということで今読むとただただ古臭い。リアルタイムではどうだったかわからないけど、ここに書かれているようなことは今や共通了解となっているような気がするし、もうわかっている話を延々と聞かされているような気になった。が、これは別に酒井順子さんが悪いわけではなくて今読んだ私の問題であります。2017/01/25
mazda
16
書いてる本人が、もしかして一番自意識過剰!?特に女性が女性に対する見方が、非常に厳しいようですね…。ちょっとぶりっこして男性の気を引こうとしているのも嫌だけど、大股開いて大口開けてご飯食べていても、私は男に媚びませんよアピールだ、とか…。多分、男ってそんなこと、全く気にしてないと思うのですが…。私が一番気になるとしたら、匂い。ものすごい香水の匂いが強い人って、確実に苦手です…。2019/06/15
ドナルド@灯れ松明の火
15
酒井さん「世渡り作法術」に続いて読了。著作順は逆転、酒井さん20代のエッセイ。日本人の持つ自意識にここまで迫った著作はないと思う。女性としての自意識過剰に関する記述には「ほ~そこまで気にしているのか」と思ったが、「社会の視線」「世界の視線」に至っては日本人の深層心理(=自意識)を深く鋭く抉っていて「確かにそうだなぁ」と納得せざるを得なかった。「芸能人に気付いても騒がない」とか「謙遜という名の卑下即ち、どM体質」はうなずくし「私以外は全部バカの論理」は耳が痛い。解説で林真理子が参っていたのがおかしかった。2012/12/24