内容説明
『雨鱒の川』から『翼はいつまでも』を刊行するまでの空白の10年。ストレスで肝臓を壊した作家・川上健一は高原の村に引っ越す。病気で無気力だから小説が書けない。つまり稼ぎもない。ツライ闘病の上に生活苦が…、のはずがなにやら楽しい。いや楽しくて仕方ない。日曜大工におかずの魚釣り。そばには愛する家族とユニークな仲間。本当の幸せとは、仕事とは、を問いかける感動爆笑エッセイ。
目次
ビトウィン生活
選挙はフェスティバルだ!
釣りの神様
至高の闘い
海へ
小説の順位
松茸クラブ大冒険
虫歯男
小さな駅
午後のティータイム
ステキな出会い
父親自慢大会
涙のプレゼント
ベスト・ワン
著者等紹介
川上健一[カワカミケンイチ]
1949年青森県生まれ。十和田工業高校卒。77年「跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。青年小説、スポーツ小説を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
32
その10年ぶりの執筆作品が『翼はいつまでも』だったんですね。そんな好環境で書かれた小説だから、あんなに良い出来ばえだったのか。納得。2014/06/13
シロー
5
初めての川上作品『監督と野郎ども』を読んだのが中学生のときだから三十年以上も前。当時の著者近影はいかにもスポーツマン然とした青年だったのに、本書だと玉置浩二似の初老顔になっていて自分もおっさんになるわけだと歳月を感じる。一時ゴルフに凝ったときは川上さんもゴルフ雑誌に連載を持っていたので、その前に十年もの空白期間があったと知って驚いた。作風同様、暢気で明るい充電期間だったようで、なんだか羨ましくなってしまう。泣かせる話が巧くてホロリとさせられるのに対して、笑わせる話が過剰演出気味で若干嘘くさいのは御愛嬌か。2016/06/20
ゆかっぴ
5
この人の温かな文章の背景には、愛する家族や生活が深く関わっているのだなと思いました。2008/09/21
ディエゴ
3
なんで僕が川上作品を好きなのかがこの本読んで分かりました。ステキな家族です。嫁と喧嘩しそうな時にこの本を思い出してます・・・。
m.tapioka
3
さらりと感動する文章2008/08/01