内容説明
強くなりたい!ブルース・リーに憧れて空手道を歩みはじめた少年今野。手作り巻藁を突き、鉄下駄代わりに父親の下駄を履いての跳び蹴り特訓。気がつけば空手塾を主宰し、指導の合間に本業をいそしむ、立派な“空手ばか”になっておりました。文壇屈指の格闘家がつづる爆笑自伝エッセイ。五月女ケイ子の豪快なイラストも満載。
目次
哀愁の少年篇
波乱の青年篇
怒濤の中年篇
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学文学部在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。06年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。SF、伝奇アクション、ミステリなど幅広い分野で活躍。空手道「今野塾」を主宰する武道家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
31
最近、外でははなるべく韓国語の本や新聞を読むようにしているのだが、遠出時の車中読み物としてはやっぱり日本語本がほしい。今、読んでいるシリーズとの関係でこの本を選ぶ。内容は雑誌に連載したエッセイを一冊にまとめたもの。かなりおふざけ調なので、余程の今野敏ファンでない限り本書単独で買うことはお勧めできない。但、『惣角流浪』、『山嵐』、『義珍の拳』の格闘実録小説三部作を読んだ(もしくは読む予定の)人なら副読本として面白いかも?それはそうと著者が琉球唐手の実践者の為か、空手を上位に描いている様な気がしてならない。2013/10/08
ワッピー
30
今野敏の空手人生。本書で語られるエピソードは、脱力あり、笑いあり、琉球空手との出会い、そしてシビアな現実に立ち向かう雄々しき武道家の姿ありと軽いタッチながら空手家・今野氏の来し方を知れます。「ヒエラルキーを維持するための必要もないハードトレーニング」という言葉には、新しい環境に入る新人たちの意欲と希望を萎縮させる悪しき伝統の本質が詰まっているように思います。ワッピーはもともとノベルス版で今野界の伝奇・武道寄りの作品群に親しんできたため、主軸が警察路線に変わった時には寂しさを感じていましたが、→2024/12/02
ヤジマ
30
主観点 7.5/10 今野先生のエッセイ本。あれだけの書物を世に送り出しておきながら、裏でこんな過酷な空手業に取り組んでいたとは、もはや超人といわざるを得ない。事実、超人なのだろうと思う。今野さんが空手に精通しているのはなんとなく知っていたものの、少なからず警察関係の仕事をしていたものと思い込んでいたが、まるでそんなことはなかった。それでどうやって竜崎シリーズのような、警察内部の緻密な描写が可能なのか。もはや謎である。やはりこのくらい精力的に生きないと、作家という特殊な職は務まらないのかもしれない。2024/08/09
ちばと~る
20
警察小説の代表選手 今野敏先生の空手エッセイ集!〜だけど、そもそもの発端わブルースリーなのねw東芝EMIのレコーディングディレクターだった今野先生。あのTMネットワークの母体バンド『スピードウェイ』の2枚のアルバム(小室哲哉先生わ2枚目から参加)を担当されていたんですな〜!!...売れてたら後のTMわ無かったのでわ、と思うと複雑wガンダムマニアでもある今野先生。88年の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』エンディングテーマをTMが担当された時わ嬉しかったろうな〜2013/09/19
みさどん
19
破天荒を売りにする人は作家さんにもとても多くて、昔を振り返る度に今野さんが真面目に普通に過ごしたと書かれているのが誠実でよかった。あの「隠蔽捜査」の今野さんがこんな学生生活だったなんてと微笑ましい。普通の時間を送る人の方が圧倒的に多いわけで、そんな歩みを肯定してもらった気分になる。それでも空手愛にあふれていて、空手家って響きだけでも大成功じゃないですか。とても楽しんで書いてらっしゃるのがわかる。武術を一生の内には経験したいと、自分は大人になってテコンドーと剣道を選んだけれど、戦うって難しいもんです。2017/12/13