内容説明
南大阪でもっとも古い、小さな玉撞き屋「保名倶楽部」。マダムの千代さんは今なお現役のハスラーだ。一球一球に生活を賭けて、度重なる災難にもくじけず、姑を大往生させ、夫の気ままな人生を許し、四人の子供を育ててきた。次々に起こる事件、家族戦争。「人生、ドラマチックなほど面白い」という千代さんのパワフルな生き方。戦前、戦後の生活をまじえながら描く、抱腹絶倒、感涙必至の物語。
著者等紹介
南川泰三［ミナミカワタイゾウ］
１９４３年、大阪生まれ。日本大学芸術学部文芸科卒業後、ＮＨＫラジオ「クイズ・ジョッキー」をレギュラー執筆し、放送作家となる。主な作品にドラマ「ばあちゃんの星」、ドキュメンタリー「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」「秘境ヒマラヤシリーズ」などドラマ・ドキュメント等を多数執筆。日本放送作家協会常務理事。日本脚本家連盟員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
路人
2
千代さんの波乱万丈の人生。不幸不運の連続に会っても、奥底に流れる生命力が彼女を動かす。環境を恨まず、変化豊かな人生は楽しいと達観する難波の女ハスラーは頼もしい。ビリヤード物として読み始めたが、朝ドラに出るような人生期。戦前から高度成長期までの昭和の物語。2019/04/29
TERu☆
2
早くに両親に死なれる、好きになり結婚した男には妻が居た上、働くことが嫌いなボンボンだった・・・ など、はたから見たら、良いこと全くなしのおちよさんの人生。 辛く悲しいことが続いたけど、何事にも負けず、前向きに進んだからこそ幸せを感じる心が出来たんだろ〜な〜。2013/06/03
bbblind
2
戦前生まれで今なお現役でビリヤード屋を営む、千代さんの一代記。小説のような、ノンフィクションのような不思議な感触の著書だが、実話である事にまず驚き、作者が彼女のご子息ということで二度吃驚。波乱万丈の四文字では足りない程の苦労に苦労を重ねながら、気丈で芯が強く、どんな過酷な試練も運命なのだと、在るがままを受け入れ柳のようにしなやかに乗り越える、その強さにただただ圧倒されるばかり。誇張も粉飾も一切ない簡素で誠実な文体が、彼女の凄まじい生き様を逆に浮き彫りにする。2010/03/25
hash
1
◎(ＮＨＫの朝の連続テレビ小説にせなあかん)2014/09/20
芋煮うどん
1
先頃亡くなった浪花の女ハスラーを、息子さんが描いた女の一代記。だめだめな亭主とだめだめな兄弟姉妹を抱えるが、千代さんは淡々と生きる2013/08/04
