内容説明
バツイチの利保子は、4人の男と付き合っていた。好みの顔をした年下の里村、気前のいい吉塚、会話の楽しい小寺、体の相性のいい幸坂。ひとりに丸ごと求めるのではなく、気に入ったところだけを見ていれば、落胆することはない。それなりに楽しい時間が過ごせるのだ。そう思う一方で、つねに満たされない自分も感じていた。4人との関係にも少しずつ亀裂が生じ、最後に利保子が選ぶ道は…。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
1949年、札幌生まれ。19歳で詩集『砂の憧憬』を刊行。広告代理店勤務を経て、88年小説『マドンナのごとく』で第21回北海道新聞文学賞を受賞。89年『熟れてゆく夏』で第100回直木賞、2001年『ソング・オブ・サンデー』で第8回島清恋愛文学賞、03年『秋の猫』で第16回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
259
「男のだれも自分の人生に巻こんではいない、素通りさせているだけだ」と言いきり、4+1人の男たちを文字通り手玉に取る利保子。ひとりひとりに過度な期待もしなければ、裏切られたときの痛手も回避できるしね、というところでは同調できてしまう。でも結局男たちの誰ひとり...。ラスト近くでそれに目覚めた彼女が、急にライターとして芽が出たり、歯科医である新恋人?が現れたり。あまりにもご都合主義が過ぎて。藤堂さんはなにを描きたかったのかしら。2017/08/08
かこりむ
18
うーーーん、ところどころ主人公に共感できる部分もあるが、親に扶養され経済的に不自由なく、しかもライターとしての才能がある、そんなアホな、と思ってしまう。でも、だからこそ、異性にあまり期待する必要がないということか。結局、自分にとってまあまあな男性たちと付き合ってきたのは、寂しさゆえなんだろうな。やっと自分が焦がれるような男性に出会えた主人公、でもその思いも時間とともに変わっていくのだろう。その先が見てみたい。2016/07/25
mami
14
え?それで??という感想しか出てこない。絞り出すようにこう捉えた「そうそう80年代後半ってこういう強い女、男を手玉に取るような女が描かれること多かったもんね」と。1998年作(そうよね、携帯電話という言葉が出てくるんだから)と知ってまた悩む。何を描きたかったのかが分からない。利保子に全く感情移入が出来なかったせいなのだろうか。2018/05/24
キムチ
3
昔、何作か彼女の作品を読んでいた。久しぶりに読んだが、やはり、何も残らない。頭を掠めて行くだけ。 登場人物、会話、シチュエーション。。工夫を感じるのだが、一見「巧み」なだけで、安っぽく感じてしまう。 若い頃はそれなりに読めたけど、歳を重ねると、もう、無理かな。 主人公利保子には何の共感も持てなくって。2007/06/14
ねぎまぐろ
1
★★★2024/12/27
-
- 和書
- 看護DX実践ガイド