内容説明
立身のためには自分の妻さえ売り、主君を平然と裏切った道三。残虐極まる行為を異様な執念で積み重ね、ついに戦国の雄となった男の生きざまを鮮やかに切り取る「斎藤道三」、上杉景勝が放った忍者・才蔵と、秀吉を主君と仰ぐ佐助が、天下を覆す策謀をめぐらす「明智光秀」など、戦国を思うがままに生きた侍たちの物語を独自の面白さで描く。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
1917~78年。岡山県生まれ。本姓齋藤。慶應義塾大学文学部卒。在学中『三田文学』に処女作「十円紙幣」を発表。戦後、編集者生活を経て、51年『イエスの裔』で第26回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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酔拳2
34
柴練先生の戦国武将を描いた短編集。戦国時代って華々しい合戦のイメージだけど、結構忍者が跋扈してなんだな。かの上杉謙信が忍者に暗殺されたとは知らなんだ。んで、謀だらけ。下克上って、スポーツとかではカッコいいイメージあるけど、この時代はどんな手使っても勝てばOK。濡れ衣着せて陥れるとか、許したフリしてブスリ、みたいな。ある意味純粋。死んで負けたらハイそれまでよ、てな潔さもあり。そんな中直江兼続は謀略というより、戦略、知略て感じでカッコいいね。兼続だけ死に様が書かれてないのは何故だろう。2018/11/30
金吾
23
メインに成り得なかった武将たちから見た戦国です。柴錬さんらしい思い込みの強さを感じながら楽しみました。武田信豊が良かったです。2024/06/19
シン
8
今まで読んだ戦国武将の小説と比べると趣が異なり、面白かったです。一気に読了。2015/05/01
Range
1
武将の最期をテーマにした短編小説集。一つ一つの話は短いながら、戦国の世を生きる者の死はみな劇的で、そこに武将の一生が詰まっていると言っても過言ではないだろう。2014/05/31
酩酊斉案山子
1
死が余りに身近な重い題材を、娯楽に徹して感傷的になることなく、さらっと読ませてしまう。その目線は登場人物と同じ高さにあって、例えば司馬さんのように俯瞰して人物評論を重ね個性を型どるのではなく、臨場感を大事に、ある意味で淡々と筆をすすめる。司馬さんは人物そのものに最も興味を示した作家で、その都合次第で時代を前後させて書くこともいとわなかったが、柴田さんは人物が辿る物語に注目しているのか時系列を外れることは少なく、人物の評価も読むひとに任せるというスタンスで主張がない。中にはそれを軽さととるひともいるだろうな2012/07/08
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