集英社文庫
私を変えたこの一冊―作家24人の名作鑑賞

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087461718
  • NDC分類 019
  • Cコード C0195

内容説明

作家の人って、どんな本を読んで作家になったのだろう。芥川龍之介は、宮沢賢治は、あの人の人生をどのように変えたのだろう。作家になった今、『ふしぎの国のアリス』を、『車輪の下』を、あの人はどんなふうに読むのだろう。作家24人が読者として真剣に名作に向き合った鑑賞集。

目次

「地獄変」芥川龍之介―トレーニング(北方謙三)
「河童」芥川龍之介―哀しみの河童(夢枕獏)
「野菊の墓」伊藤左千夫―隠れ野菊はいまもいる(久世光彦)
「伊豆の踊子」川端康成―恋の垣根(橋本治)
「女たちへのいたみうた金子光晴詩集」金子光晴―男たちへのいたみうた(小池真理子)
「ふしぎの国のアリス」キャロル―ファンタジーの原点(阿刀田高)
「青い麦」コレット―恋の原型の小説(田辺聖子)
「堕落論」坂口安吾―覚醒する安吾(立松和平)
「清兵衛と瓢箪・小僧の神様」志賀直哉―ぼくの得意枝(原田宗典)
「汚れつちまつた悲しみに…中原中也詩集」中原中也―1971年の中原中也(秋元康)
「坊ちゃん」夏目漱石―正義と愛(ねじめ正一)
「三四郎」夏目漱石―十五歳の春(三田誠広)
「夢十夜・草枕」夏目漱石―小説における映像主義の発明とその挑戦(大林宣彦)
「吾輩は猫である」夏目漱石―牛の涎(谷川俊太郎)
「怪談」ラフカディオ・ハーン―『怪談』の静寂について(清水義範)
「たけくらべ」樋口一葉―大和ことばの柔らかさ(俵万智)
「偉大なギャツビー」フィッツジェラルド―偉大さと華麗さの間で(柳美里)
「車輪の下」ヘッセ―ハンス・ギーベンラートの哀しみ(畑山博)
「風立ちぬ」堀辰雄―生きようとする祈り(氷室冴子)
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治―ひかりをさがして(武田鉄矢)
「高瀬舟」森鴎外―翻訳の不可能なる(林望)
「安南の王子」山川方夫―「血のつながり」の重さ(群ようこ)
「遠野物語」柳田国男―小さな、過激な本(中沢新一)
「怪盗ルパン 奇巌城」ルブラン―探偵小説への道案内人ルパン(大沢在昌)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

69
比較的、中間小説を書くような作家の方々の愛読書というか自分を変えた作品はどのようなものがあるかを24人に書いてもらっています。結構皆さんバラエティに富んでいて、読んでいて楽しくなります。北方さんの「地獄変」や阿刀田さんの「ふしぎの国のアリス」、田辺さんの「青い麦」などは意外感があります。取り上げられている作品は比較的古典といわれるものが多きがしました。2015/08/23

michel

11
★3.0。いろんな作家さんがどうそれらを読んでいるのか、を垣間見られた。こんな視点、こんな読み方があるのか、と興味深く読んだ。そして稚拙な読み方しかできていない自分を情けなくも思った。2021/06/13

サチオ

8
紹介者の個性がふんだんに出た一冊。僅かですが既読の作品もあり、十人十色の感性を楽しんだ。とりあえず特に3つ、「ふしぎの国のアリス」「堕落論」「怪盗ルパン 奇巌城」はそそられたのでを近々探して読んでみたく存じます~。2014/09/03

moe

5
好きな作家さんが好きな本を知るのはうれしいし、それが自分の好きな本だともっとうれしい。反対に、自分が好きな本を推している作家さんの作品も読んでみたくなります。書かれている内容はそれほどもの珍しいことではないですが、その人にとって大切な本だということは分かります。1冊の本との出会いとその想いは、それぞれ個人的なことですから、共感できることもそうでないこともあります。でも、その本との出会いが、その人にとって心の支えになったり、その人の価値観を投影したりしていることがわかります。2010/09/05

まめとら

2
24人の作家の方々の鑑賞集。 近所の古本屋さんで購入。読んでみたい本が沢山ありました。 この本に出会えたことに感謝!2016/03/03

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