内容説明
天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。
著者等紹介
乙一[オツイチ]
’78年福岡生まれ。17歳の時、「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞し、デビュー。ファンタジー・ホラー小説界の若き俊英として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
257
短編7編収録。個人的には「ZOO1」より「ZOO2」の方が圧倒的に面白い。どの短編にも良さがあり読ませる。「血液を探せ!」のシュールさに笑い、「冷たい森の白い家」の冷たい質感に恐怖を感じる。「神の言葉」の熱量に引き込まれ、机の傷の意味を知り震撼する。「むかし夕日の公園で」も掌編ながら乙一らしさが良く現れていると思う。乙一の作品というと中高生の超能力モノが一つの定型と感じる。そこに重い展開と救い難いラストを持ってくる事が特徴であり、読む歓びを得ることが出来る。黒乙一の魅力を改めて知る。次はGOTHを読もう。2017/12/03
おしゃべりメガネ
179
当たり前ですが、改めて乙一さんらしい短編集でした。乙一さんにしか書けない作品郡で、コワさの中にもなんか笑えてしまうコメディタッチなものもあり、なにげなく読んでいたらガツンと驚かされるビックリな作品もあり、いつもながら本当に多種多様な内容です。どの話もまったく違うテイストで書かれているので、飽きやマンネリなくリズムよく読めてしまいます。『血液~』は乙一さんの意外な一面を感じた内容です。ホラーだけどコメディと改めて才能の豊かさに驚かされます。ビクビクしながら平和な気分で読める短編集はなかなかないと思います。2013/11/22
忠犬じろレポ
165
ZOO1から引続き読了。グロさになれたのかGOTHに比べSoft?。色々と考えさせられる短編ばかりで。「むかし夕日の公園で」は完全にホラーですね。文庫専用みたいで得した気分です。でも今回の一押しは「Closet」です。私は毎回お約束のミスリードへ乗車。結局犯人は誰?誰?(^^; まあいいんですけど。毎回言いますが、ブラックだけど読みやすい。避けてる方も一歩踏み出して乙一の世界を覗いてみては。 最近乙一の積本がなくなると焦ってしまう自分が怖い。(^^; (2013/4/11修)2013/04/02
NADIA
148
ZOO1に続いて読んでみた。こちらは6編の短編からなる短編集。6作目はショート・ショートというレベルの短さ。やはりインパクトは1作目の方が強かったのだが、この作品集もさまざまなテイストで楽しめた。しかし、なぜ作品の雰囲気がこんなに静かな印象なのかな。登場人物たちに共通したどこか悟っているような冷静さがそう思わせるのか。まだまだこの乙一の世界を覗いていたい。2018/02/07
とら
141
一巻目をいつ読んだか分からないけれど短編集だから問題無し...と思っていた。読み終わるまでは。読了後、満足感が体を支配するのだろうと思っていたら全然違う。もっと読みたい!って気持ちの方が強かった。一巻でなんとなく覚えてるのが「SEVEN ROOMS」という作品で、解説の島本理生さんも言ってたけどやっぱりこれなんだなと思った。解説で出てくる話がうっすらとしか記憶に無くて!おそらく再読するw久々の乙一さんだったけどやはりブレないなあ、面白さ。ファンタジーとミステリとホラーとなんでもオンパレード。大好きです。2012/10/26