出版社内容情報
辺境を愛するノンフィクション作家と室町を専門とする歴史家による対談。人々の心の動きから法体系まで、あまりの共通点の多さに目からウロコ! 文庫化にあたり追加対談も実施。(解説・柳下毅一郎)
内容説明
現代アフリカのソマリ人と室町時代の日本人はそっくり!時空を超えた両者の奇跡的な符合について、ノンフィクション作家と日本中世史専門の歴史家という、普通は接点を持ち得ない二人が心ゆくまで語り合い生まれた「現代の奇書」。対談を重ねるごとにスイングする二人の会話。異分野間の交流から生まれた新たな発見も!文庫のための追加対談もボリュームたっぷり。驚きと興奮に満ちた対談本。
目次
第1章 かぶりすぎている室町社会とソマリ社会
第2章 未来に向かってバックせよ!
第3章 伊達政宗のイタい恋
第4章 独裁者は平和がお好き
第5章 異端のふたりにできること
第6章 むしろ特殊な現代日本
著者等紹介
高野秀行[タカノヒデユキ]
1966年東京都生まれ。『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。2005年『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を、13年『謎の独立国家ソマリランド』で第35回講談社ノンフィクション賞、14年同作で第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞
清水克行[シミズカツユキ]
1971年東京都生まれ。歴史家。明治大学商学部教授。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
165
ノンフィクション作家と日本中世史歴史家による対談本。タイトルの通り世界の辺境と室町時代には多くの共通点があり、異業種の二人の対話はどんどん盛り上がっていく。高野氏の著書も何冊か読み、戦国時代好きの自分にとっては点と点が繋がっていく様な感覚の連続。シビアな社会問題や歴史上の出来事をライトに面白く書く、という部分は大いに共感。対談の中で紹介されていた本や続編も近いうちに読もう。2020/04/02
Aya Murakami
162
ナツイチ2019対象本 昔の日本って辺境だったのですね。中国がリアルな脅威の時期は中国を見習うことが熱心で中国の勢いが落ちると辺境に…。そして西洋が脅威になると西洋を見習うことに熱心に…。おおざっぱにいうと日本の辺境化って結構周りの大国に左右されているということなのでしょうか? 後、この本で「なぜ都市部が治安が悪くなる傾向があるのか」という謎が一つ解けました。田舎ものが流れ込んで顔見知りがいないことをいいことにやりたい放題するわけですね。一田舎者として反省の気持ちが…。2019/09/05
gonta19
116
2019/8/31 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。 2025/3/22〜3/27 高野氏がソマリアやソマリランドのソマリ人に感じた社会のあり方や考え方が昔の日本人に似ているということで、室町時代の一般の人々が専門の清水先生と行った対談。いやあ、ほんとに似ているなぁ。面白い。2025/03/27
南北
100
アジアやアフリカの辺境地帯を取材している高野秀行と日本中世史の歴史家である清水克行の対談本です。アフリカのソマリ人と中世の日本人との間で類似点が多いのではないかというところから始まります。どちらも自力救済を行動原理としているため、似ている点はありますが、ソマリ人が遊牧民なのに対し、日本人は農民が多いため、相違点もあります。またソマリ以外にもタイやミャンマーなどの上座部仏教と日本の仏教の対比もあります。異質な社会や時代を拒絶することなく受け止めていく二人の姿勢に共感が持てました。2019/09/27
優希
99
ノンフィクション作家と歴史専門家の対談が興味深かったです。接点もないような2人が今回語り尽くしたのは「現代の奇書」と言えると思います。分野は違っても新たな共通項の発見があって面白かったです。異分野から新たな出来事も見え、最後まで楽しんで読めました。2019/09/04