内容説明
昭和初期の東京。浅草の片隅の見世物小屋でひっそりと暮らす猫又の弐矢は、むかし愛した女に瓜二つの美貌の持ち主を見つける。その青年・嘉寿哉の家に居候することに成功した弐矢だが、心理学を研究しオカルトを糾弾しようとする嘉寿哉の周りには何故か妖怪たちが引き寄せられてくる。愛しい彼を守るべく、弐矢は奮闘するが…。欲望渦巻く帝都で暗躍する、妖しくも美しい妖怪たちの物語。
著者等紹介
真堂樹[シンドウタツキ]
東京都出身。『春王冥府』で1994年下期ノベル大賞受賞。中華風ファンタジー「四龍島」シリーズで人気を博す。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なつ
32
昭和初期の帝都に潜む妖怪たちのオカルト物語。相変わらず「帝都」「妖怪」というワードに弱い。美しい男が入り乱れ、キャラクターの表現の仕方が何とも艶やか。心理学を研究する青年・嘉寿哉の家に居候することになった猫又の弐矢。大好きな嘉寿哉のために家事を進んで行う姿は健気で愛おしいです。いろいろ謎が残ったまま終わった感。続きが出たら読みたいですね!2019/11/25
ギンちゃん
23
予想よりも生々しい空気があり戸惑いましたが今後、弐矢と嘉寿哉の関係がどのように展開するのかや、鴨井にも何か大きな秘密がありそうでこれからが楽しみです。2019/09/07
きょん
14
昭和初期の東京を舞台に、猫又や狗神、百目鬼、妖狐などが繰り広げる騒動が描かれている。心理学を研究している、猫又弐矢のかつての想い人とうり二つの美青年がキーパーソンになりそうだけど、1巻目はまだ登場人物紹介的な感じ。2019/04/25
スプリント
12
主人公の猫又が強い妖怪ではなくどちらかというと非力な妖怪として描かれているのがよいです。伏線がたくさん残っているので続編を待ちたいと思います。2019/07/09
椿櫂
11
猫又の弐矢が結構健気。嘉寿哉さん、素敵かも!狐の姫様が長野まゆみ先生の某作品の蜜法師様に似てるって思いました。続きが気になるので、是非二巻あってほしいです。2019/05/29