内容説明
江夏豊、川藤幸三、掛布雅之、阿波野秀幸、野茂英雄、中村紀洋、福留孝介…今でも燦然と輝く記録と記憶を残した名選手たちを獲得した伝説のスカウトマン河西俊雄。最大の決め手は誠意。探し、交渉し、引退後も見守る。その粘り強い交渉術を見て、人は彼のことを「スッポンの河さん」と呼んだ。現代のビジネスマンにも通ずる、人を動かす極意がそこに。この男を抜きにしてプロ野球史は語れない。
目次
第1章 東京六大学のスター選手
第2章 ホークスの韋駄天
第3章 タイガースのスカウトに
第4章 掘り出し物を次々と獲得
第5章 パ・リーグの在阪球団近鉄へ
第6章 近鉄最後の優勝の基盤を作る
第7章 二十一世紀のプロ野球のスカウトは今
エピローグ 名スカウト河西俊雄が残したもの
著者等紹介
澤宮優[サワミヤユウ]
1964年熊本県生まれ。ノンフィクションライター。青山学院大学文学部卒業後、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に刊行された『巨人軍最強の捕手』で戦前の巨人軍の名捕手吉原正喜の生涯を描き、第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
26
○あまり知らないスカウトの話でしたので読んでいて新鮮であり面白かったです。掛布や中村紀のように下位指名から活躍する選手が出てくるのはスカウト冥利に尽きるのではないかと思います。2022/10/14
マッちゃま
21
ドラフト制以前からプロ野球のスカウトをされていた河西氏のスカウト人生を描いた本。何事も物事の裏側を観たがるのは世の常。華やかなプロ野球という舞台。そこで輝くのは選手、監督や名コーチ。監督やコーチも元を正せば選手。そのプロで活躍できる人材を見つけて、交渉し、入団させるのがスカウトの仕事である。NPBファンとしてアマの大会もTV中継があれば素人スカウトの目線で観戦する僕からしたらプロのスカウトの目の付け所は興味深い。そんなプロの目利きに引っ掛かった新人くん達、2020も熱くさせてくれる事を期待しておりますよ♪2020/01/13
ふたば
11
誰しも、自分が第一線にいたころが一番良い時代だったと思うものだ。子供時代も含めて青年期から、壮年期に入るころまでの年代は、どこの時点で振り返っても美しい思い出になっている。特に、バブルの頃に青年期、壮年期だった世代はそうだろう。河さんの仕事に対する考え方に感銘を受けるとともに、あの頃のあの世相を懐かしく、思い出した。野球は面白かった。選手はやんちゃで豪快で、今では信じられないような武勇伝を持つ者も多い。裏方であるスカウトさん達でさえ、個性的だ。洗練された時代ではない。もちろん良い事ばかりでもない。2019/04/04
あらあらら
7
成功例の陰にはたくさんの失敗例があるだろう。人気球団阪神とそれほどでもない近鉄で活躍したスカウト2020/03/13
ひで
5
澤宮さんの本は丹念な取材に基づいていて、主人公について語る周りの方々のエピソードが詳しく、本当に楽しく読めます。2020/04/05
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- 和書
- 〈図説〉アステカ文明