出版社内容情報
三池工業高校野球部監督・原貢氏。球界のエース菅野智之投手の祖父であり、元WBC日本代表監督の原辰徳氏の父である。1965年、伝説の甲子園初出場、初優勝に迫るノンフィクション。(解説/江刺昭子)
澤宮 優[サワミヤユウ]
著・文・その他
内容説明
1965年、夏の甲子園。炭鉱町・大牟田の三池工業高校が、初出場・初優勝を成し遂げた。栄光へと導いた監督は、原貢。巨人軍の四番打者を務めた原辰徳の父で、球界のエース菅野智之の祖父にあたる。その快挙は、三池闘争や粉塵爆発事故に打ちひしがれていた町を大きく熱狂させた。語り継がれる厳しい指導法や、当時の常識を覆す戦術、今も色褪せないドラマを緻密な取材で追ったノンフィクション。
目次
大牟田という町
原貢招聘
熱血指導の始まり
甲子園までの序章
いざ甲子園へ
選手たちの証言
奇跡への序章
まさかのボーク
ベスト4進出
運命の決勝戦
快挙は再び起こらず
今に生きる原貢野球
著者等紹介
澤宮優[サワミヤユウ]
1964年熊本県生まれ。ノンフィクションライター。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に刊行された『巨人軍最強の捕手』で戦前の巨人軍の名捕手吉原正喜の生涯を描き、第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
○不況の町に活気を与え、市民が一致団結して三池工を応援したところに感銘を受けました。原辰徳監督の原点というのも理解できるくらい真に迫る描写でした。また丹念に選手たちを取材していて面白かったです。2023/01/02
kenitirokikuti
11
甲子園第100回記念大会ということで、高校野球ノンフィクションがいくつか刊行されている。本書は2004年に刊行されたもの。昭和40年、三池工業が初出場初優勝を飾った。監督は原貢(原辰徳の父)。1985年に10才での私は神戸市に住んでいたので、タイガース中心にしか知らないので原貢・辰徳のことはよく知らなかった▲当時は木製バット時代なので長打が出づらかった、とのこと。卓球やテニスも道具が改良されて力の差が勝負に直結するようになったんだっけ。2018/07/21
ひかり
9
夏の甲子園で優勝した唯一の工業高校である福岡県立三池工業高校のお話。自分が生まれる前だけど、福岡第一や西短が、決勝に進出した時に、あの三池工業以来とよく耳にしたなあ。さらに前の小倉高校も。2019/03/09
hitotak
7
昭和40年夏の甲子園大会で初優勝した三池工業高のノンフィクション。当時の三池は労働争議と爆発事故で荒み、暗い話題ばかりだったが、その快挙に町中が沸き立ったという。チームを熱血指導で鍛え上げたのが原辰徳巨人監督の父・貢氏だった。鉄拳制裁が日常であり、相手チームも震え上がる迫力で、当時を振り返る部員達は、口々にその厳しさと選手たちへの原氏の愛情を語っている。ここに書かれた指導方法は今なら大問題で、全編に渡って肯定的に書かれる原氏の迫力と厳しさは、世代の違いか自分が体育会系でないせいなのか、多少の違和感もある。2020/03/06
カモノハシZOO
7
昭和40年の夏の甲子園が体感出来てよかったです。非常に興味深く読めましたし、感銘も受けました。すごいです、原貢さん。でも50年前で良かったですね。嗚呼、阿天坊っと。2018/08/11