出版社内容情報
母の歌は海も時も越え、響いている――。命がけの航海の末、マカウの地にたどり着いたチカップ。母に聴かされたアイヌの歌を拠り所に、故郷のえぞ地への思いを持ち続ける…。物語と言葉が多重な層を織りなす長編。(解説/川村 湊)
津島 佑子[ツシマユウコ]
著・文・その他
内容説明
日本でキリスト教徒の迫害が進む17世紀。アイヌと和人の子チカップは、兄と慕うジュリアンと共に、命懸けの航海の末マカウの地に辿り着く。母に聴かされたアイヌの歌を拠り所に生きるチカップは、キリスト教の信仰に惹かれつつも、故郷のえぞ地への思いを持ち続けていた。マカウも安住の地とはなり得ず、少女は再び航海に身をゆだねる。物語や言葉が多重な層を織りなす、著者最後の長編小説。
著者等紹介
津島佑子[ツシマユウコ]
1947年東京都生まれ。白百合女子大学文学部英文学科卒業。父親は太宰治。71年に第一作品集『謝肉祭』でデビュー。76年に『葎の母』で第16回田村俊子賞、77年に『草の臥所』で第5回泉鏡花賞、78年に『寵児』で第17回女流文学賞、79年に『光の領分』で第1回野間文芸新人賞、83年に「黙市」で第10回川端康成文学賞、87年、『夜の光に追われて』で第38回読売文学賞、89年に『真昼へ』で第17回平林たい子賞、95年に『風よ、空駆ける風よ』で第6回伊藤整文学賞、98年に『火の山―山猿記』で第34回谷崎潤一郎賞、第51回野間文芸賞、2002年に『笑いオオカミ』で第28回大佛次郎賞、05年に『ナラ・レポート』により芸術選奨文部科学大臣賞と紫式部文学賞、11年に『黄金の夢の歌』で毎日芸術賞を受賞。16年2月18日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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