出版社内容情報
1990年代半ば、あおぞら銀行の監査役に就任した野崎は、バブル崩壊に伴う金融業界の闇を目の当たりにし、不正にメスを入れる決意をする──。
内容説明
大手都市銀行「あおぞら銀行」巣鴨支店長の野崎修平は、支店の閉鎖に伴い監査役就任を命じられた。ときは1998年、バブル経済崩壊を受けて金融業界もまた混迷を極めていた。不可解な高額融資、役員の派閥争い、政治家との癒着疑惑。様々な抵抗や嫌がらせを受けながらも、野崎は銀行内にはびこる不正や経営問題にメスを入れるべく奔走する。自らの正義を信じ、人々のため懸命に働く男を描いた企業小説。
著者等紹介
横幕智裕[ヨコマクトモヒロ]
1970年北海道生まれ。脚本家・漫画原作者・構成作家。ドラマ『明日をあきらめない…がれきの中の新聞社~河北新報のいちばん長い日~』で、東京ドラマアワード2012単発ドラマ部門グランプリ、第8回日本民間放送連盟日本放送文化大賞グランプリを受賞
周良貨[シュウリョウカ]
漫画原作者。大学卒業後、都市銀行に入行するも退職し、文筆業をスタート。のちに漫画原作者となる。銀行員だった経験を生かし、経済をテーマにした作品を多く手がける
能田茂[ノダシゲル]
東京生まれ。漫画家。1981年ヤングジャンプ増刊でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
49
銀行が舞台でどんな困難にも立ち向かい監査役として職務を全うする主人公。リアリティーは薄いが、展開も早く&先が気になり一気読み。まさにコミック的な面白さ!と思ったらこちらコミックを小説にした本なのね。なるほど納得。この後は取りっぱなしのWOWOWのドラマを観る。2018/06/16
Yunemo
18
細かい点に拘らずに楽しめました。どうも監査役というポジションの位置付けに曖昧さが残りますが、それを差し引いて正義の味方的なエンタメとして十分に。漫画から始まっていたのですね。集英社文庫の「平成といえば」シリーズの一環なんですか、この編集結構面白い感覚ですね。平成といえばバブル崩壊、改めて今、書下ろし、あまりにも世界観が、人物感がデフォルトされ過ぎて身を引きながら、それでも楽しんで。こんな感覚を残して読了です。金融業界、この時、時代からほんとに変わったんでしょうかね。組織で生きてる人達の不遇って現実的です。2019/01/20
くま
5
銀行だけが守られたパブル崩壊あと。 貸し渋りで多くの中小企業が苦しむなか、 金融機関で働く人は何を感じ考えたのだろうか? 社会的意義から守られて、保身のために動いたとしたら、許せない。 そんな脳死状態の中で一人孤軍奮闘する野崎修平の姿はスカッとします。2018/09/04
masa
4
正義感の振りかざし方がやや傲慢で、自分本位。かつ現実感のない展開で、小説としてはまぁ面白いが、それだけという感じ。たまに現れる社内の協力者への扱いもぞんざいで真相究明の方法も直線的かつ短絡的。監査役という普段スポットが当たらないポジションを取り上げているだけに、物語にリアリティを期待したがそこは期待はずれ。2018/04/24
Ken Wada
3
私も会社の不正を上申して左遷されそうになっちゃいましたけど、今は復活。見ないふりをしている取締役はいっぱいいるぞー。おっさんの世界は良い悪いじゃなく、好きと嫌いで成り立っているのだ。2020/07/13