出版社内容情報
探偵兼ライターの頸城。IT長者の自伝を書くことになり、取材に訪れた富豪の別荘で不可解な殺人事件に遭遇する。別荘に集った人々の証言は微妙に食い違い……。本格ミステリー。(解説/和希沙也)
内容説明
本職・探偵、副業・ライタ。飄々と生きる頚城悦夫。IT長者ウィリアム・ベックを取材するため、富豪の別荘を訪れたその日に、敷地内で射殺事件が起きる。被害者はベックの主治医。生前の彼と最後に話したのは、こともあろうか頚城だった!?富豪の妻、息子、息子の恋人に使用人たち。一癖二癖ある人々の話を聞き、頚城は事件解決を試みるが、第二の殺人が起き…。瀟洒でビターなミステリィ。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年生まれ。作家。工学博士。某国立大学工学部建築学科助教授の傍ら、96年に『すべてがfになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー。以後、次々と作品を発表し、人気作家としての不動の地位を築く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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rio
33
探偵兼ライターの頸城は、IT長者の自伝を書くため彼の別荘を訪れ殺人事件に巻き込まれる本格ミステリー。「ゾラ」の続編ですが独立した物語のため未読の方も楽しめます。全体的にハードボイルドな雰囲気がある一方、主人公は適当な感じでそのギャップが絶妙でした。何気ない会話のやり取りや、所々に入るシュールなジョークが魅力的でもあり、哀しい事件と相俟って良い雰囲気で読了しました。その後の物語が出ることを期待します。2018/03/04
Y2K☮
33
ある種の男の書き手なら、誰でも一度はこういう世界を創りたくなる。ハードボイルド? 定義を突き詰めたらそこまでストイックじゃない。でもタフで媚びない男の弱さが垣間見えて、尚且つリアルと美意識がギリギリの調和。だからこその感情移入。もし著者が私立探偵になっていたら、と想像できた。作家は己の作品の中で別の人生を送る事ができる。望むなら上手くいかなかった恋愛や友情を成就させる事だって。それでも現実はあくまでも現実。どこまでも付き纏う。作中の様々な人に「どんまい」と告げたい。ああいう告白ほど残酷なものはないよなぁ。2018/02/09
らび
31
ゾラの続編だったのか~ってそんなに古くもないはずなのにゾラの記憶が全くない。読んだのよ(^_^;)頸城は森作品の主人公だな!って感じの雰囲気だし周囲の女性たちも例外なくそうで、2つの殺人事件は起こりますが的は絞りやすかったし真相はそうなんだろうな・・なんですが事件やストーリーを楽しむより会話だったり雰囲気を楽しむ作品でしょうね。2018/06/10
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
22
まさかの読んでなかった森博嗣小説。単発モノ(厳密にはこの前の巻があるので第2弾なのだが)を読むのは久しぶり。これまた主人公に魅了され、会話会話にユニークを感じ、ああ、森博嗣作品だ!という気持ちを噛み締めながら読んだ。やっぱり先生の文章大好き。早く前作届かないかなー((o(´∀`)o))ワクワク2018/02/01
ソラ
21
ミステリィって言うより雰囲気というか会話とかそういうのを楽しむ作品かなと思う。そういう面では森博嗣らしくてすごく好き。2018/02/24