出版社内容情報
イスラム教徒=テロリストではない! 池上彰が奥深いイスラム世界を、自身が行った高校生への講義をもとに語る。時事性や世界情勢を踏まえて加筆した文庫版は、イスラムを理解するための必読の書。
内容説明
世界の4人に1人はイスラム教徒。それなのに私たちは、彼らの本当の姿をほとんど知らないのでは?イスラム世界が経済をはじめ、世界情勢を動かしつつある今、イスラム教を知ることが不可欠―。だから教えて、池上さん!イスラム教の起源や戒律から、絶えない紛争の理由、そして「イスラム国」。池上彰が高校生に語った講義をわかりやすくまとめた、本当のイスラム世界を知るための必読書!
目次
イスラムが世界を動かす
一神教の三つの宗教
『コーラン』とは何か
ムハンマドと『ハディース』
イスラム教徒が守るべきこと
スンニ派とシーア派
イスラム原理主義と過激派
中東問題とは
エルサレムは誰のものか?
湾岸戦争と9・11
イスラム金融が世界経済を動かす
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年長野県生まれ。ジャーナリスト、名城大学教授。73年、NHKに入局。記者として事件や災害、消費者問題などを担当する。また94年から11年間、「NHK週刊こどもニュース」の初代お父さん役として活躍。2005年にNHKを退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
68
池上彰さんの著書は平易な表現で分かりやすい物が多い。だが、この本に関してはそうではなかった。然るに、テーマ自体が難しいのかなと思った。「高校生からわかる」とあるが、米国やソ連やヨーロッパの大国に翻弄されたイスラム世界の歴史、米国歴代大統領の中東政策やイスラム政策、三大宗教の成り立ち、そしてその教義、一神教と多神教の違い、オイルマネーに群がる構図、テロリズムの根底にあるもの、、、高校生を舐めてはいないが、こんなこと理解できてる高校生がいるとしたらスーパー高校生だ。要するに言いたいことは一つ、世界平和。2017/11/08
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20
【歴史のif~アフリカにあった、かもしれないイスラエル~】イスラエルはウガンダにできていたかもしれない、もしそうなっていたら...でもそこで紛争が起きないとは誰にも言い切れない。池上さん曰く、歴史にifはない▼ラマダーンではスタバも閉まるほど、徹底して日中は断食。しかし夜は盛大に食べるので、トータルの食費は平時より上がる。昼間食べられずにイライラするので、自動車事故が増える。伝統なので口出し無用だけど、血糖値的にもかなり危ないような...ただ、こういった違いを理解していくことが大事なのだろう。2018/11/26
リキヨシオ
17
ニュースを分かりやすく解説する池上さんが講義する「イスラム世界」…やはり分かりやすい!「イスラム教=怖い・危険・自爆テロ」というイメージが強いが…そんなことは決してない。全世界で十億人以上の教徒を持つ世界で二番目に巨大なイスラム教は、ムハンマドという予言者が「神の言葉」を伝えた事が始まりで。その神の言葉をまとめたのが「コーラン」だという事。しかしムハンマドの後継者が決まらなかった事から様々な宗派が生まれたという。米・英国などの大国との関わりを知ると、大国の行いの罪深さや歴史上の軋轢の深刻さを痛感する。2019/03/06
赤い熊熊
15
池上先生の本を読むと、イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の系統がよく分かります。そもそも同じ神を信じる宗教で、イスラム教徒にとでてはコーランだけでなく旧約聖書も新約聖書も聖典。さらに、コーランにはキリスト教徒やユダヤ教徒とも仲良くせよとあります。近いが故に対立構造が作られやすいというところでしょうか。世界では宗教が元で争いが起きています。しかし、人間には宗教が必要だったと池上先生は説きます。不条理がまかり通ってしまくことも少なくない世界で、真っ当に生きていくためのせめてもの拠り所でもあった。なるほどです。2018/03/13
ひー坊
14
宗教に関することがメインだけど、その歴史や近年の世界情勢についても記述があり、分かりやすかった。2019/10/03