出版社内容情報
草花の知識を活かし、人々の悩みを解決してきた草介。剣術道場に通うお転婆娘千歳に持ち上がった縁談を聞き、今度は自分が悩みの当事者に!? 優しく温かな人気時代連作第2弾。(解説/中江有里)
内容説明
「水草さま」と呼ばれ、周囲から親しまれている小石川御薬園同心の水上草介。豊かな草花の知識を活かし、患者たちの心身の悩みを解決してきたが、とんでもなくのんびり屋。そんな草介が密かに想いを寄せてきた、御薬園を預かる芥川家のお転婆娘・千歳に縁談が持ち上がる。初めて自分の心に気付いた草介はある行動に出るが―。大人の男として草介が一歩成長をとげる優しく温かな連作時代小説。
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説を執筆、2005年に「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞を受賞。08年に「一朝の夢」で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
35
「御薬園同心 水上草介シリーズ」第二巻。 “水草 ”と上司からも呼ばれてしまう草介、まあ自己主張が強くないところが、魅力なんですよね。千歳も含め周りが皆相愛だとわかっているのに、一人草介だけが自分の気持ちに気付かないのが草介らしいところ。でも、身分違いなんですね、この頃はそれは厚く高い壁です。それも含めて二人の先行きが気になります。今巻脇で登場した吉沢角蔵の固さが楽しい対比です。お馴染みの蘭方医の河島仙寿も光る人物です。登場人物それぞれが魅力的です。三巻目、読まずにいられません!2023/10/11
のびすけ
24
シリーズ2作目。1作目より格段に面白かった!御薬園に見習いとしてやってきた吉沢角蔵は生真面目な性格で、のんびり屋の草介との対比が面白い。この巻では草介が度々ヘマをやらかす。お気に入りの植木ばさみを紛失し、子供と牛を取り違えて煎じ薬を処方し、植木ばさみで自分の指を切ってしまう。草介のボンヤリが危ない危ない。そんな中、千歳に縁談話が持ち上がる。草介も千歳も、お互いを想う気持ちを抑えて運命に従おうとする姿に胸が締め付けられる。次はいよいよ完結編!ハッピーエンドで終わってほしいな。2020/07/14
びぃごろ
20
シリーズ2作目、グンと深みが増しました!見習い同心吉沢角蔵の仲間入りで、水草との対比が効き物語に厚みが出ました。「柴胡の花」のきかんぼう銀太の話から「桃のひこばえ」で角蔵の妹も加わり、千歳の縁談話に動揺する草介…身分違いに「おめでとうございます」としか言えないが…これは次作も楽しみだ。2020/09/18
klu
14
まったりした時間が流れていていいですよね・・・2018/03/23
タツ フカガワ
13
御薬園同心水上草介の成長と本草(薬用の草木)が見事に絡むドラマ作りのうまさに平伏です。今回は、几帳面で堅物の若い同心吉沢角蔵や、草介を父ちゃんと呼ぶ銀太少年、菓子屋の隠居お園らクセのある脇役たちが各話を盛り上げ、終盤は何度涙をぬぐったことか。2018/06/08