出版社内容情報
近未来。人間の機械化を見据え、競馬界ではサラブレッドのサイボーグ化が決定。生身の馬で行われる最後のダービーに向け、男たちの戦いが始まる。第10回日本SF新人賞受賞作品。(解説/北上次郎)
内容説明
22世紀。ロシアの占領下にある近未来の日本では競走馬のサイボーグ化が決定。ロシア高官イリッチは、生身の馬体で行われる最後のダービーを勝つために零細牧場主・笹田の最高傑作“ポグロム”を購入。立ちはだかるのは最大手牧場が禁断の交配により生み出した“エピメテウス”。勝つのは「悪魔的な強さ」か、「病的な速さ」か。第10回日本SF新人賞受賞、時代が埋もれることを許さなかった問題作。
著者等紹介
杉山俊彦[スギヤマトシヒコ]
1977年、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2008年、『競馬の終わり』で第10回日本SF新人賞を受賞、09年に同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hanchyan@理解はできないが否定もしない
35
そもそも競馬がなぜ面白いのか。なにが自分を夢中にさせるのか?と考えてみる。以前、冗談めかしてつぶやいたことがあるが、自分の場合「未来が自分の予知通りになるという奇跡が具現化するのを目の当たりにしたい」という欲求が、やはり大きい。それもひとつ。ある現場派は、サラブレッドの美しさを挙げるだろう。それは例えば一振りの日本刀とか、あるいはロイヤルコペンなんとかの食器の様に、歴史と言って差し支えないほどの時の経過を経て一応の完成をみたフォルムの美しさだ。それもひとつ。そのほかにもいろいろあるだろうが、やはり(↓)2017/10/03
sanosano
10
SF新人賞であるためか、競馬小説になりきれず。面白い設定であるのに、中途半端にゴツゴツとした印象。部分的には、おおっと思わせるところもあるのだが、なんともちぐはぐで噛み合わない。すご〜くスリリングな物語になりそうなのに至極残念である。2018/01/17
shimyasu
5
★★2017/09/15
コウみん
4
近未来のロシア。 競走馬のサイボーグ化が新たに注目されていた。 競馬小説とSFの中間みたいな流れで普通な感じがした。 著者のデビュー作だから文章が甘いのもあるが、ストーリーの展開が分からなかったこともあった。2018/02/20
Yuri
4
舞台は近未来。戦争に敗れロシアに占領された日本。ヒトやウマにもサイボーグ化の流れが。 なのに、競馬は競馬として存続しているバランスが面白い。 世界観と競馬の説明に占める割合が多くて、本来の話の流れが弱いかなー。2018/02/11
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