出版社内容情報
顔を潰され、石膏で塗り固められた女性の死体。道化服に身を隠した悪魔の智恵が生み出した執念のトリックに挑む! 明智小五郎ものの戦前最後の作品。シリーズ堂々の完結!!(解説/北村 薫)
江戸川 乱歩［エドガワランポ］
内容説明
差出人不明の脅迫状に悩まされていたＨ製糖株式会社取締役の川手庄太郎は、明智小五郎に比肩すると噂される法医学界の権威、宗像隆一郎博士に捜査を依頼した。内偵していた弟子が殺人の手掛かりを掴むも、死亡。川手の令嬢姉妹が次々と惨殺、当の川手も誘拐された。その全ての現場に三重渦状紋の指紋があった。解決したかに見えた事件はどんでん返しの様相に―。（「悪魔の紋章」）他一編収録。
著者等紹介
江戸川乱歩［エドガワランポ］
１８９４年三重県生まれ。１９６５年７月２８日、逝去。大正から昭和にかけて日本を代表する推理小説作家。日本推理作家協会初代理事長。正五位勲三等瑞宝章を受章。早稲田大学を卒業後多くの職業を経て、１９２３年雑誌「新青年」に掲載された「二銭銅貨」でデビュー。以後、明智小五郎が活躍する探偵小説を次々と発表。早くから海外の小説にも造詣が深く、怪奇小説や幻想小説、犯罪小説を数多く執筆。他に少年探偵団ものの「怪人二十面相」などがある（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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旗本多忙
17
「明智小五郎事件簿」も、この12巻をもって終わった。途中で浮気をして創元推理文庫を何冊か買ったが、全巻をちゃんと揃えれば良かったかなと少し悔やんでいる。明智小五郎が初登場した「D坂の‥‥」では探偵好きの若いゴロツキの青年であったが、その明晰な頭脳は次々に難事件を解決しその名を不動のものにした。そこには文代夫人に小林少年ら探偵団の助けも大いにあった。どの作品も犯人の手口は巧妙であったが、明智探偵の叡知が１つも２つも抜きん出ていて読後感がひじょうにスッキリしている。まだまだ登場話はある。続刊の企画もぜひ。2017/09/02
みなみ
14
明智小五郎事件簿シリーズの12作目。「悪魔の紋章」では、犯人自体は途中から薄々分かってはいるものの、二人の探偵の対決には最後までわくわく。事件のたびに登場する三重渦指紋が切っ掛けで、自分の指紋の特徴も思わず見てしまった。「地獄の道化師」は、犯人の動機が救いようがなく、切なくなって読了。自分の顔を劇薬で潰す精神状態に戦慄した。月並みな感想だが、女の嫉妬は怖いなぁ。2018/05/25
みのるん
5
美しい殺人鬼とパンと缶詰。この妙な取り合わせはなんとなく滑稽な感じであった。2022/09/14
コブタ
5
明智小五郎事件簿最終巻。戦前の乱歩先生物の大道である妖しげな復讐劇。解説にも有ったが、「博士」が登場すると俄然妖しくなる!戦後の明智小五郎と少年探偵団物も発行してほしい。2018/09/09
へいがぁ
5
外連味たっぷりの最終巻。ポプラ文庫で少年探偵団シリーズを何十年ぶりに読み直してみたい気になりました。2017/09/29
