出版社内容情報
ついに兀朮率いる金軍と、南宋の岳飛軍と張俊軍を併せた全軍が激突! 両者一歩も譲らない戦いが展開された。一方、南宋有利に進む中、秦檜には別の思惑が──。中原で蠢動する第四巻。(解説/鳴海章)
北方 謙三[キタカタケンゾウ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
264
蕭炫材登場。この後のキーパーソンか。そして、久々に面白いと思える戦で全編が貫かれている。梁山泊はほとんど関らないが、岳飛が考案した、長刀を用いた隊の存在が大きい。思えば、水滸伝時の戦には、こういった、意表をつく奇策が多用され、寡勢で大軍を撃破していく痛快感が何倍にも増幅されていた。楊令の帰還以降、そういう戦がほとんどなくなり、童貫が魅せる場面はちらほらあるも、その死後はパッタリ。これを求めていたのだと気づいた。強いていえば、南宋も金も、愛着のあるキャラが少ないので、その分、冷静に読めてしまうところはある。2022/02/18
しんごろ
170
金国と南宋の激しい闘い!読みごたえたっぷり。対梁山泊とは違う面白さ。読みごたえたっぷり。ページをめくる手が止まらない。激しい闘いに梁山泊はひと休み。金国と南宋の闘いだけではない。秦檜が南宋の内政を、秦容が南方の開墾を、どう進めていくのか気になるところ。そして、またひとり地味ながら漢がひっそりと…息を引き取った。2019/05/28
アルピニア
57
いよいよ金軍が南宋に攻め込む。南宋は岳家軍を巻き込み総力を挙げて迎え撃つ。南宋の宰相秦檜は、岳飛を南宋軍の総指揮官にして前線で戦わせるが、今はまだ国力が十分ではないと考えていて、講和の時機を窺っている。まわりの思惑をよそに、兀朮と岳飛の研ぎ澄まされた戦いが繰り広げられる。秦檜との考え方の違いが明らかになってきた時、岳飛がどう動くのかが楽しみでもあり不安でもある。英雄の息子たち、胡土児、蕭炫材、許礼も存在感がじわじわと増してきた。特に蕭炫材に興味が湧いてきた。2021/08/21
sin
51
大軍を擁して南下した金軍!南宋との間に立ちはだかる岳家軍と南宋軍!ウジュは曾てない広大な地域の国家を夢想し、岳飛は坑金を理念に漢民族の解放を目指し、北上を決意する。両者が覇権を賭けて激突するなか、いまだ行く末の定まらぬものか、作者は梁山泊に“志”に加えて“夢”を語らせる。2019/04/13
ポチ
46
岳飛と兀朮の戦いから目が離せない。岳飛と秦檜の考え方の違いが、この先どうなるのか気になる。秦容の開墾の行方も気になる。2022/03/03