出版社内容情報
東京・上野の博覧会に黄金の仮面をつけた怪盗が出没! 不気味な笑い声、めくれ上がった唇からしたたり落ちる血。その意外な正体とは!? 乱歩の最高傑作。(解説/東山彰良 年代記(クロニクル)/平山雄一)
江戸川 乱歩[エドガワランポ]
内容説明
ソフト帽を目深にかぶり、外套の襟を立て、月夜に煌めく黄金の顔。ゆがんだ口元には一筋の血。東京・上野に大怪盗・黄金仮面が出没し、「志摩の女王」という宝石をまんまと盗み出す。早くもその正体に気づいた明智小五郎は、怪盗一味に次々と命を狙われることに―。ついに標的は国宝の玉虫の厨子。事件現場に残されたA・Lの文字の謎とは?華麗なる強敵と対峙する、驚嘆すべき名勝負!
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年三重県生まれ。1965年7月28日、逝去。大正から昭和にかけて日本を代表する推理小説作家。日本推理作家協会初代理事長。正五位勲三等瑞宝章を受章。早稲田大学を卒業後多くの職業を経て、1923年雑誌「新青年」に掲載された「二銭銅貨」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
48
図書館の新着コーナーで目にして手に取った。子供の頃、ポプラ社の少年探偵団シリーズで読んで、黄金仮面が怖くて怖くて、夢にまで見たのを思い出す。が、今読むと、乱歩の他の作品に比べて、ライトな娯楽作。それにしても、自分の中では、黄金仮面の正体は、怪人二十面相だったのに、まさか、世界的に有名なこの人物だったとは・・・。今、調べると、ポプラ社のシリーズの黄金仮面は、子供用にリライトされたもので、小林少年を出したり、ストーリーも違うよう。もしかすると、黄金仮面の正体も違った、ということはないか。2016/11/24
たろさ
16
この頃の乙女は怖い顔をした刑事に問い詰められるより擽られる方が恐ろしいらしい。今まで何度も数々の犯人を逃しているのに明智探偵の信用が崩れないのは最終的に事件が一応解決しているからだろうか。ルパンは読んだことがないがなんとなく嫌いになった。2018/07/18
雪之助
11
黄金仮面の正体は有名な怪盗A・L!あまりに凄い設定にびっくり。そして明智探偵は今回も犯人に逃げられたり「本当に名探偵?」と訝ってしまうシーンも多々あって、そこがまた面白かった。2018/05/26
カズザク
5
明智小五郎が、とうとう世界のルパンを相手に…大風呂敷を広げ過ぎの設定が笑える!明智もルパンも、スゴイんだけど、どこか抜けている。所々ツメが甘いところが、愛嬌、人間味があっていい。大鳥不二子…峰不二子は、ここから?(後書きを読んだら、違った…)部屋丸ごと…動いたらわかるだろ!って、心の中でツッコミつつも、大胆で大掛かりな、今の小説では絶対にありえないトリックが、かえって新鮮だった!やっぱ、古くて新しい乱歩は、読んで楽しい!2017/08/18
kiiseegen
5
かなり久し振りの再読なだけに新鮮さがあり楽しめた。A・Lとの対決‼︎物語りはもちろんのこと、巻末のクロニクルもすっかり楽しみになって来た。2016/12/19