出版社内容情報
青い海、白い砂浜が広がる楽園・沖縄で、殺人事件と米軍用地を巡る二つの事件が同時発生! 捜査を進めると裏には巨大な権力の影が……。渾身の社会派ミステリーをいきなり文庫で!(解説/関口苑生)
内容説明
那覇市内の高級ホテルで男女の遺体が発見された。沖縄県警捜査一課の若手刑事・反町は、叩き上げのベテラン・具志堅とともに事件捜査に当たる。当初、ただの無理心中と思われたが、準キャリアで同期の赤堀が追う米軍用地をめぐる土地取引事件との関連性が急浮上。二つの事件の背後には、日本の表と裏の“権力”による壮大な陰謀の影が…。著者会心にして渾身の長編警察小説。いきなり文庫!
著者等紹介
高嶋哲夫[タカシマテツオ]
1949年岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒業、大学院修士課程修了。日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。79年、原子力学会技術賞を受賞。94年「メルトダウン」で第1回小説現代推理新人賞を受賞。99年、「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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酔拳2
32
沖縄といえば突き抜ける青い空とどこまでも続く海、という印象だが、社会的には日本で唯一地上戦の戦争があり、現在では米軍基地が多くあるという本土とは全く異なる環境がある。本書は警察ものだが、沖縄が舞台ゆえに他の警察ものとは一線を画す。なんて解説のような文章を書いたが、ページを捲る手が止まらないほど面白かった。無理心中と思しき男女の遺体発見から、事態は思わぬ方向に。基地の土地、軍用地にこんなにも利権が絡むとは!また東京出身の若手刑事と沖縄の叩き上げのベテランを中心とした人間描写もいい!次作も期待。2023/04/09
ノンケ女医長
26
巻末の解説に、文芸評論家が「これは、どうにもこうにも次作を書かなければならないのではないか。作者には失礼だが」と結んでいる。全く同感だ。沖縄県警察特有の歴史と複雑さが多数作品に描かれ、読み応えは十分。でも上手な収斂にはなっていないと感じた。警察官が銃で撃たれた衝撃。逃走した犯人が命を失ったことを「一件落着」と評する、楽観的な県警が真に恐れているもの。そして真犯人の行く末。これら重要な点を、敢えて不明瞭としたのだろうか。一点、沖縄県警察本部長の結論が、警察庁の意見であるとする根拠が納得できなかった。2023/06/26
橙夜(とうや)
16
【図書館】表紙は国際通り。舞台は沖縄で起きた2人の遺体から始まる。無理心中と思っていた遺体の1人が東京から来た不動産関係の男。それも軍用地を目的としたものだった。更に消えたお金。犯人と思わしき男が今度は酷い殺され方をしていた。いったい何が起きているのか…?という話なんですが、えー、これで終わり?と思ってしまったが続編があるらしい。これ、地元の人以外の方が読んでどうなんだろう。モヤモヤした終わり方なので続編読まなきゃ。2017/07/12
タカシ
14
那覇のホテルで男女の死体が発見され刑事の反町は事件を追うが…。沖縄の土地取引や中国マフィアや色々出たけど今一つ盛り上がりに欠けたかな。刑事達、特にノエルのキャラは良かったので別の事件で読みたいですね。2018/08/22
尾塚
13
沖縄県警が舞台の警察小説。沖縄ってやはり米軍基地の問題は必ず出てきますよね。でもこの小説のテーマは基地が借り上げている土地。作品によると年間で1000億円の借地料が日本政府から支払われるという。それも毎年値上がりして。中国マフィアも入り混んで。確かに土地の売買には利権絡みで大きなお金が動くんだろうなと想像してしまう。ただ小説では何だか中途半端じゃないの?と些か消化不良ぎみ。きっと続編が出るんでしょうね。続きが楽しみです。勝手な希望ですが。2016/04/13
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