出版社内容情報
訪問販売の傍らで、あくどい商売人から金を掠め取る“世間師"の男。名前は仕事の数だけある。あるとき出会った女性、四面堂遥は腕利きの詐欺師で──。コン・ゲーム小説の金字塔。(解説/西上心太)
内容説明
世間師“せけんし”―世情に通じて、巧みに世渡りする人。世なれて悪賢い人。(「広辞苑」第六版)訪問販売の傍らで、あくどい商売人から金を掠め取る“世間師”の男。名前の数は仕事の数。あるとき彼が出会った美形の女性、四面堂遙は一筋縄ではいかない食わせ者だった!?ひょんなことからコンビを組んだ二人は、痴漢や地上げ屋を相手に罠を仕掛ける!コン・ゲーム小説の金字塔。
著者等紹介
逢坂剛[オウサカゴウ]
1943年東京生まれ。80年「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。86年に刊行した『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。2014年、第17回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫陽花
37
世間師の男と四面堂遥により繰り広げられる古典的な詐欺の物語。「いそがしい世間師」、「痩せる女」、「弦の嘆き」、「八里の寝床」、「弔いはおれがする」の5つの話で構成されています。オレオレ詐欺などが社会問題となっている今、詐欺を肯定するわけではないですが、面白い内容となっています。私が特に気を引かれたのはふたつ目の話です。日本酒談義が続き、話に引き込まれていきました。MOZUのように硬い話のイメージの逢坂さん。こういった柔らかい小説もあるんですね。2022/12/22
nemuro
36
書き下ろしコン・ゲーム小説『猿蟹』(鯨統一郎)を読み終え、ちょっとずつ読み進める私にはやっぱり連作短編集が合うなぁと痛感しての本書。読メ登録後の文庫版(2017年3月と2018年3月読了)の前に単行本でも読んでいて(ふらっと故郷に帰省するような感覚で)6度目くらい。思えば、多作な御大・逢坂剛にも関わらず本<世間師>シリーズと<御茶ノ水署>シリーズのユーモアコンビものばかり繰り返し。食わせ者・四面堂遥とコンビを組んだ世間師の男。名前の数は仕事の数。<名無し男>が語る一人称小説。これぞコン・ゲーム小説を実感。2024/06/13
nemuro
17
単行本でも読んでいて、おそらく読了は4度目くらい。「百舌シリーズ」のように、こちらもテレビドラマ化してくれると、かなり嬉しいのですが。2017/03/14
nyanlay
14
あのMOZUの原作者の作品だったんですね~。って言ってもMOZUを見てなかったのですけど。世間師と言って、まぁ詐欺師みたいな主人公。だけど相棒役の女性の方が主人公みたいな感じ。深く考えずにサクサク読める一冊でした。2015/11/23
nemuro
11
おそらくは単行本での読了も含めて5、6度目の読了。<世間師シリーズ>第1弾の本書と続編の『相棒に手を出すな』の2冊は、ちょっと故郷に帰省するかのような感覚で、繰り返して読んでいる。思えば多作の御大・逢坂剛。にも関わらず、私が頻繁に読んでいるのは、本シリーズと<御茶ノ水署シリーズ>。ユーモアなコンビものばかりだった。2018/03/03
-
- 和書
- 現代国際法