出版社内容情報
渡瀬浩一郎は、学の体内にある致死性のウィルスを全世界に拡散させようと企てる。ついに〈アゲハ〉は復讐のため、昴たちは亘救出のため、渡瀬のいるシェルターに向かう──。シリーズ怒涛の完結。
内容説明
防衛副大臣となった渡瀬浩一郎に囚われたままの亘を、必死に探す昴。渡瀬は自身の黒い野望を達成するため、暗殺者・武部に昴の殺害を指示。一方、「破綻」のタイムリミットが近づく“アゲハ”達は、渡瀬抹殺のため動き出す。“アゲハ”の中心人物、学の体内で人類滅亡のウィルスが着々と生成されていく中、ついに三者が、富士山演習場で激突。誰が敵で誰が味方なのか―。死闘のシリーズ最終章!
著者等紹介
本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。94年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
40
少し持ち直した最終巻。暗殺者武部のあらかさまなミスリード感が凄いが、やっぱり切ない。そして渡瀬を狙うアゲハたちと昴たち。人質だった亘を洗脳して差し向けてくる辺り、渡瀬の悪役っぷりは清々しいくらい。最後はサヨナラ人類って言われたようで、この作者さん特有の切なさが吹き抜けた。2019/05/22
rio
33
渡瀬に囚われたままの亘を救うために動く昴達。破綻へのタイムリミットが近づき渡瀬抹殺に動くアゲハ。各々の想いを抱えたシリーズ完結編。3冊に渡る長編でしたが、全く長さを感じない程のめり込みました。もう少し長引かせて、さらに登場人物を深堀してくれるとより嬉しかったです。完結編では場面ごとに違った切なさや寂寥感があり、不器用な登場人物達の優しさが心に響きました。静かな余韻を残すラストが印象的です。2015/06/01
めぐ
29
結局アゲハとは協力することも闘うこともあり、つかず離れずの不思議な距離感のままだったけれど、理不尽な運命はお互いに理解しあえていたと思う。命をかけて救い出すはずの亘が、登場してからはあまりにも存在感が無くて拍子抜けした。将来、ヒトと交流が可能な彼女が幸せになって、自分自身の思い出を作れると良いなぁと思う。それが仲間の希望だったし。2016/03/26
チアモン
28
予想していた通りのラスト・・・。でも、学の結末は一体どうなるんだろう。少しでも幸せになってもらいたいなぁ。碧には泣かされた。本多さんの作品の未読はあと1冊。どんな内容の本なんだろう。2017/02/14
山目
24
そういう結末ですか?本多さんらしいですね。最後の対決は少し残念でしたが、楽しめました。少し盛り過ぎていたかもしれない。行くも戻るも地獄、明日なき未来でも希望を持ち続けられるのだろうか。2015/05/26