出版社内容情報
都の南、近づく者のいない朽ちた楼門の袂で笛を吹く男。彼の前に現れた鬼が、ある提案をして……。この世ならざる者たちの姿を、泉鏡花賞受賞作家が繊細な筆致で紡ぐ短編集。(解説/東直子)
内容説明
古い都の南、朽ちた楼門の袂で、男は笛を吹いていた。笛を吹いてさえいれば、男は幸せだった。ある春の夜、笛を吹く男の前に、黒い大きな影が立っていた。鬼だ。笛の音を気に入った鬼は、男に絶世の美女を与え、百日の間は絶対に触れてはならぬと告げるが…(「鬼の笛」)。人ならざるものを描くことで浮き上がる、人間の業や感情。民話や伝承をベースに紡がれた六編を収録した短編集。
著者等紹介
千早茜[チハヤアカネ]
1979年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。小学生時代の大半をアフリカのザンビアで過ごす。2008年『魚神』(「魚」改題)で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で、第37回泉鏡花文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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