出版社内容情報
札幌の養護施設で暮らす陽介や卓也たちは高校受験を前にそれぞれの岐路に立っていた。人生に真っ向から立ち向かう少年たちを描いた『おれのおばさん』の続編!(解説/木皿泉)
内容説明
父が横領罪で捕まって一家離散、陽介が札幌の養護施設“魴〓(ぼう)舎”に移って二年が経つ。中学三年の陽介と施設の仲間たちは高校進学を前に、将来を見据えてそれぞれの選択を下すことになり―(「おれたちの青空」)。表題作のほか、魴〓(ぼう舎を運営する恵子おばさんの若かりし日を描いた「あたしのいい人」、陽介の相方でスポーツ万能の卓也目線で語られる「小石のように」の二作品を収録。話題の青春小説。
著者等紹介
佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞受賞。02年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。11年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
101
「おれのおばさん」の続編。卓也とおばさんの話。卓也の生い立ちはとても悲惨である。陽介といい、生い立ちに負けずに立ち直る姿は創作とはいえとても清々しい。2018/01/21
まさきち
95
「おれのおばさん」に続く卓也と恵子おばさんの回想を中心にしたスピンオフ的な一冊。恵子おばさんの生き方を知るに連れますます引き込まれ、新たにホウボウ舎に加わった聡美と美江の今後も気になり、あたたかさをしっかりと感じられながら、しっかりと自分の足で立って生きていくということの大切さを思い起こしてくれる物語で、今後も追っていきたいシリーズだと感じての読了です。2022/12/28
パフちゃん@かのん変更
60
『おれのおばさん』の続編。卓也が主人公の「小石のように」。恵子が主人公の「あたしのいい人」。養護施設魴鮄舎の変わっていく様子「おれたちの青空」の3篇。卓也の生い立ちは本当に気の毒だ。でも背が高く運動神経にも恵まれている。養護施設には高校卒業までしかいられないらしい。高校に行かないならば中卒で施設を出て自活しなければならないらしい。恵子さんの人生も波瀾万丈だ。でも素晴らしい人物だと思う。2018/04/26
ゆみきーにゃ
56
《図書館》俺のおばさんの続編。卓也が陽介が成長していてほのぼのしました。ハッピーエンドで良かった。2014/09/07
とりあえず…
51
このシリーズ好きだな。中学生のみを受け入れる養護施設でのお話しなので、勿論そこに登場する人達は重い過去を背負っている人が多い。それでも明るく前向きに生きる面々を見て、出来過ぎだと思う人もいるでしょう。私は敢えてのそういう部分を好ましく感じる。現実に生きていても、楽しいことばかりではない。ドラマチックなほどの悲劇は訪れなくて皆そう。そのやるせなさに浸るも良し。そこからがむしゃらに生きるも良し。どちらを選ぶかは結局自分次第。何も教訓めいてはいないのです。でも決して卑下はしない。この本の自由さが私は好きだ。2015/11/12
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