出版社内容情報
大坂の街案内をする旅籠の娘・花歩。夏の風物詩・天神祭の夜も客を案内していたが、客の一人が騒ぎを起こす。「天神さんに罰を当ててほしかった」と言うが…? 人情あふれる時代小説第2弾。
内容説明
大坂の旅篭「さと屋」の看板娘・花歩。宿の手伝いの傍ら始めた名所案内で天神祭を訪れるが、祭の最中、さと屋の泊まり客の一人が騒ぎを起こしてしまう。人が見てはならないご神体を見ようとした、というのだ。彼は「天神さんに罰を当てて欲しかった」と言うのだが…。表題作ほか、「七墓めぐり」「浪華御役録」を収録。浪花の風物を鮮やかに描く、人情溢れる書き下ろし時代小説シリーズ第2弾。
著者等紹介
岡篠名桜[オカシノナオ]
大阪府出身。「空ノ巣」で2005年度ノベル大賞・読者大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ううち
29
第2弾。大坂の時代ものなので江戸とは違う雰囲気が新鮮。どれも優しいお話だし読みやすいです。美味しい食べ物も出てくるといいなぁ。ぶっきらぼうだけど、花歩ちゃんの行く先々を見守っている千代ちゃんの優しさにキュンときます。ライバル?も出てきてこれからが楽しみです。2016/03/05
天の川
26
「浪花ふらふら…」第二弾。天神祭の船渡御の光景が鮮やかに浮かび上がる「見ざるの天神さん」、一晩でこんなに歩くんだぁとちょっと驚きの「七墓めぐり」、妬みや嫉みが絡まりあった「浪華御役録」…花歩の町案内が仕事として稼働し始め、シリーズ物として確立してきた感じ。義母に「身をわきまえろ」と釘を刺される花歩の同心である千代ちゃんへの想いに対し、実は花歩を気遣っている千代ちゃんの態度が全くといっていいほど花歩につれないのがじれったい。それゆえに、千代ちゃんの最後の一言が効いてます。2014/11/02
み
21
さくさくと♪千代ちゃん、言葉が足りないよ~。花歩ちゃん、応援するわ(^^)2019/10/18
waqwaq
20
シリーズ第二段も浪花の人情で溢れた話ばかりでした。また江戸後期の大阪の風物が知れて楽しめました。花歩ちゃんのふらふら歩きと一緒になって読者が江戸時代の大阪の様々な場所を巡れるような所も面白いなと思います。そして、今回は歴史上の人物も登場です。解説にもありましたが、史実と、江戸後期の時代の移り変わりと物語をどう絡めていくのかを楽しみに読むのも良いなと感じました。千代ちゃんが見廻り同心になったのは花歩の事を想って、花歩のお父さんを探す為でもあると内心考えているという勝手な妄想が私の中で止まりません(笑)2014/02/05
Koto
16
シリーズ第二弾。一巻からだいぶ間があいてしまった。決して華やかな展開はないけど、浪花の人々の素朴な生活や、人情味がある朗らかさなんかがほっこりする。堅苦しくない読みやすさも気に入っている。大阪の旅籠の娘、花歩が始めたのは町案内。より良い案内をと一生懸命な花歩の姿が好ましい。単に知識だけでなく、出会った人々の気持ちに対しての一生懸命さがある。そして幼馴染への淡く定まらない想い。心も娘らしく成長していく花歩に目を細めるが、一方千代太郎の気持ちは一体どこにあるのか読めないのが、ちょっと憎い。期待していいのかな。2015/02/25