出版社内容情報
何もかもがいやになった俺は、家を捨て北海道へ旅立った。旅で出会った大人たちは、誰もが何かを抱えて生きていた。少年の大人への旅路を描く、注目新人の書き下ろし青春ロードノベル。(解説/池上冬樹)
内容説明
16歳の夏、なにもかもが嫌になって家出をした徹平。もう戻らないと心に決めた旅立ちだった。丸2日、夜行列車に揺られて降り立ったのは北海道は十勝の無人駅。たまたま知り合ったおばちゃんの家に泊まり、20トントラックに乗せてもらうことに。道中、ヤザワ好きの運転手に心をゆるし、打ち明け話をする。そして彼と別れ、ひとり礼文島に渡る―青春ロードノベル、著者初の文庫書き下ろし。
著者等紹介
吉村龍一[ヨシムラリュウイチ]
1967年、山形県南陽市生まれ。高校卒業後自衛隊入隊。除隊後、近畿大学豊岡短期大学卒業。2011年、『焔火』で第6回小説現代長編新人賞を受賞し、12年、同書が刊行され、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
148
北海道は十勝をスタートし、オホーツクから稚内などを家出した高校生が地元民とふれあいながら旅するロードノベルです。『真夏のバディ』に感化され、読みましたが余計な描写がほとんどないので、軽くすいすいとストレスなく読み進めていけます。主人公が家出した理由はそれなりにシリアスですが、道中出会う人々もなかなか魅力的であっさりながらも読後感はすっきりしました。トラック運転手の「三浦」さん、加工場で働く「ルイ」さん、お二方は人情物語ならではのキャスティングで深くココロには残らないかもしれませんが、ほっこりしました。2016/07/31
はつばあば
46
男の子の旅立ちの詩だ。この作家さんの3作目を初めて手にした。3作目と云うのはじんわりとしたゆとりと面白さが醸し出されるいい時期だと思う。人生は一回こっきり。学校での勉強も人生の勉強もしないよりした方がいいに決まっている。でも・・・しなくても済む苦労は・・させたくない2016/04/08
七色一味
36
読破。タイトルと表紙の絵だけで選んだ本。私に本を買わせたきゃこういう装丁にすれば間違いなし! なんだけど、中身的にはどうだろう。少年の行動原理が、妙に薄く感じられるかなぁ。まぁ、物語としてはそれなり。可もなく不可もなしという終わり方で、あまり印象が残らない。2014/01/30
Richard Thornburg
13
感想:★ 家出した高校生が主人公のロードノベルです・・・が、旅の雰囲気も殆どないし、主人公を含めた登場人物の不幸自慢(笑)って感じかな。 主人公も不幸自慢してるだけで、旅を通じて人間的に成長するとかってのが全くない感じで消化不良状態のまま終了。 久々のハズレ本でした。2018/07/04
キクノ
13
人と出会い、様々な経験をし、成長していく姿を感じて旅もいいなと。旅のおわりは、新たな始まり。その言葉に勇気をもらいました!2015/10/11