出版社内容情報
目覚めたてのロリータ少女と、柔道バカ。変わり者扱いされる十四歳の二人が恋をした。けれど、彼の引越しで名古屋と東京に離れて暮らすことになり……。世界で一番純粋な恋の物語。(解説/加藤千恵)
内容説明
2000年の名古屋。ロリータファッションに目覚めたばかりで、必死にロリータに邁進した結果、クラス中からバカにされていた「私」をかばってくれたのは、時代錯誤なファッションと言動で有名な柔道バカの藤森君だった。全く共通点はない二人だが、それがきっかけで付き合うことに。けれど、彼が東京へ引っ越すことが決まり…。障害の多い恋の行方は!?純粋すぎる初恋を描いた、傑作恋愛小説。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市出身。2000年、書き下ろし小説集『ミシン』で小説家デビュー。03年『エミリー』、04年『ロリヰタ。』が三島由紀夫賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
487
十四歳の恋愛?ケッてな感じだったが「遠距離」の三文字に惹かれて。バンカラな彼の告白がいい。「おみゃーが好きだぎゃ。一生、幸せにしたぁますわ」。恋愛に不自由さが加わるとヒトの闘争心に火をつけるものだが(笑)、このふたりは本当にいじらしく、とことん応援したくなる。名古屋、最後に訪れたのは学生時代の貧乏旅行途中下車だったが、いつか再訪したい。ふたりがデートした犬山の「お菓子の城」はコロナで閉鎖中だそうだ。そんなご時世。2022/02/13
あも
56
すごく真っ当で真っ直ぐな恋愛小説。青春小説。野ばらさんはロリータでお耽美なイメージが強いけど、ストーリーテラーとしては王道ど真ん中を歩んでいる作家だと思う。ロリータに情熱をつぎこむ女子と時代遅れのバンカラ男子。キワモノかもしれないけど、狭い世界を必死で生き抜こうとした二人が出会い恋に落ちる。その後の展開は痛々しくもあるけれど、夢中で必死で、誰が何と言おうと真剣だった。片思いでも思い込みでも勘違いでも、誰が何と言おうともそれはその時の自分に取ってただ一つの大切な気持ちだったんだ。確かに眩く光る青春がここに。2014/02/20
ゆかーん
56
14歳。あの頃はなんでもできると信じていた。恋愛だって趣味だって、時間と工夫さえあればどうにかなると信じていた。クラスで変わり者の藤森君を好きなっても、クラスメイトの助言なんて一切耳に入らなかった。解り合えなくても価値観が違ってても、横にいて欲しい人が私であるのならそれだけで幸せ。でも…彼は東京に引っ越すことになった。東京と愛知との距離は余りにも遠すぎた。会いたいのに会えない、そのもどかしさが切なく、遠距離でも恋愛を続けたいと願う2人の必死さに胸が痛んだ。私も14歳の頃これだけ必死に恋愛していたらなぁ…。2015/06/02
萩
47
中学生の淡い恋。「俺と付き合ってくれんかね。...結婚したらよ、一生幸せにしますわ」可愛い。シビれる。ピュアラブ。クセのある作品が多い印象の野ばらさんだが、本書の系統は『下妻物語』っぽい面白さと読みやすさ。ロリータファッションに傾倒する少女と本宮ひろ志の世界観に憧れる少年。独特なスタイルを貫く二人の中学生カップルが遠距離恋愛になってしまった。微笑ましくていじらしくてせつない物語。本全体から中学生ならではの思考回路や情熱や不自由さが炸裂していてそこが魅力。名古屋ネタが多数なので詳しい人はもっと楽しめそう。2021/07/09
た〜
21
スガキヤが関東から無くなってしまったことが、悲しくなる話。この著者の話はやはり面白いけど読みにくい。中学生のカップルが名古屋と東京に別れて、色々無茶をします。青春だーね。しかし著者のロリータ(性癖的意味じゃないよ)愛はぶれないな(笑2019/06/04
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- 和書
- 東京島 新潮文庫