出版社内容情報
命の期限は7日間。深くやさしい、愛の物語
保健所に収容された、母犬と生まれたばかりの子犬。職員の彰司は母犬の心を開かせようと奮闘するが、命の期限は刻一刻と近づいていた──。感動の実話をもとにした映画を、監督自らが小説化。
内容説明
神崎彰司が働く保健所に、母犬と生まれたばかりの子犬が収容された。母犬は近寄る人間たちに激しく吠え、必死にわが子を守っている。彰司の娘・里美は、そんな母犬に亡くなった自分の母の姿を重ね、助けてあげてほしいと懇願する。だが、収容期間はたったの7日間。彰司の奮闘もむなしく、母子犬の“命の期限”は刻一刻と近づいていた―。実話をもとにした感動の映画を、監督自らがノベライズ。
著者等紹介
平松恵美子[ヒラマツエミコ]
1967年岡山県生まれ。92年、鎌倉映画塾に第一期生として入塾。93年の在塾中、見習いとして『学校』(山田洋次監督)に参加。『十五才 学校4』、『武士の一分』、『母べえ』で日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナティ
45
冒頭からウルウルしてしまいましたが、ラストは込み上げてくる涙を止めることができませんでした。保健所で保護された動物たちのリミットは7日間。子犬を必死に守ろうとする母犬を救うために奮闘する彰司。子供達との約束。母犬との奇跡のような通じ合い...。久しぶりに感動できる作品に出会えました。2013/10/13
こちゃら。
36
私は、自分が家族として迎えた犬には、何があってもその犬生を守り切ってやりたいと、それが飼い主としての役目だと信じています。ひまわりは、身勝手な飼い主に捨てられたわけではない。そして物語の最後には幸せな笑顔が待っていた。だから、ほっとした。動物管理センターには、人間の身勝手さでその命を消されてしまう犬たちが本当にたくさんいる。どうか、悲しい犬たちがこれ以上増えない事を私は祈るしかない。ただ、祈るしかない。奮闘する職員にも頭が下がる思いで読みました。2015/03/10
NAO
27
「どんな動物にも今まで生きてきた歴史がある。それがどんな物語かを考えることができればきっと心は通じ合える」ついつい上から目線で見てしまう身勝手な自分を反省。2016/06/12
杏
24
久しぶりに読みながら泣いてしまった。きっと、犬やどうぶつが好きで、愛情を持って飼ってたりする人なら、おなじように泣いてしまうかもしれない。ストーリーは実際にあったおはなし。野良犬として保健所に保護された犬とそのこどもたち。その命の期限はたったの7日。それまでに引き取り手が見つからなければ処分されてしまう。ペットブームの裏で、今日も全国で同じように「処分」されていく犬たちがいる実情を、ちゃんと知っておかなければいけないと思う。簡単に解決できる問題ではないけれど、ちゃんと知ることからなら始められると思うから。2013/03/26
しの
22
カテキョ先の生徒に薦められて。カフェで読んだけど大失敗。涙も鼻水も止まらなくて完全なる不審者。保健所で働く彰司はある日、警戒心の強い母犬と3匹の子犬を山で捕獲する。子を守るためなら自らが傷つくことも厭わない母犬。粘り強く信頼関係を築く中、殺処分の日が近づく。動物に寄り添いたいのに仕事で殺さなければならない彰司の苦悩。そんな父を受け入れられない娘とのすれ違い。彰司が母犬のこれまでの人生を想像する場面が素敵。人間は勝手だと憤るのは簡単。そこからどう行動を起こすのか。毎日この現実に向かい続ける人たちは強い。2015/11/23
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