出版社内容情報
母と娘の微妙なる関係
アラフォー間近のインテリアコーディネーターの沙良は、実家で母の駒子と暮らしている。一見平和なふたり暮らし、でもそれぞれの思惑が絡んで…。母娘の胸中をシニカルに描く快作。(解説/香山リカ)
内容説明
インテリアデザイナーの沙良、36歳は、母の駒子61歳とふたり暮らし。「あなたが心配だから」という名目のもと、チャンスさえあれば、娘を支配したくてたまらない母。善意がベースとわかってはいるものの、母の言葉に、嫉妬心やライバル心を感じることがある。家賃はなし、家事もすべてお任せという夢のような環境と干渉を天秤にかける娘。結婚のこと、老後のこと、娘と母の思惑は錯綜する。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
1949年、札幌生まれ。19歳で詩集『砂の憧憬』を刊行。広告代理店勤務を経て、87年小説『マドンナのごとく』で第21回北海道新聞文学賞を受賞。89年『熟れてゆく夏』で第100回直木賞、2001年『ソング・オブ・サンデー』で第8回島清恋愛文学賞、03年『秋の猫』で第16回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
118
単行本にて読了。面倒くさい、鬱陶しい思いをしながらもお互い気遣い、お互いを頼っている楽しく愛すべき母娘の物語。2017/02/05
優希
96
母娘の話なので手にしました。面白かったです。アラフォーを目前にした沙良は実家で母・駒子と二人暮らし。平和そうながらシニカルな関係に分かるなぁと思わされます。母娘の関係は難しいけれど、結局そこは1つの世界なんですよね。わがままな駒子に振り回されながら、居心地のいい実家に住み続ける沙良に共感しました。イライラするところもあったけれど、微笑ましかったです。2015/11/04
ねむねむあくび♪
56
面白かった~(^-^)/♪ナツイチで読みたくなった本。この人のエッセイと一緒に読んだが、小説も良かった。母子の関係を、自分の母に当てはめたり、自分の娘に当てはめたり…ってかなり未来だけど(笑) 母の突拍子もない行動やワガママ、母に潜む意地悪な部分さえ、うんざりしつつも受け止める娘の、冷静で落ち着いた愛情が暖かい。そして、亡き父親や、姉に感謝をちゃんと伝える弟の存在も良いのだな♪2015/08/11
扉のこちら側
55
初読。2014年1163冊め。37歳独身の娘と未亡人の母との生活。母の病気や弟の電撃結婚、義妹の秘密など印象的なエピソードが多い。母と娘の関係も悩むことがあるけれど、こうして日常は続いていくのだ。ただ私は駒子のような母とはやっていけないな。2014/12/21
☆ゆう☆
55
きままな娘とわがままな母って…ウチのこと?と、完全にタイトル買いをしてしまった一冊。でも読んだらそこまでウチとは似てなかったので、残念だったような、少しほっとしたような。沙良も駒子も癖者。それがやっぱり母娘。似た者同士だなぁとしみじみ。今回私には共感できる場面が少なかったが、今後もし自分が結婚とか、子供を産むときが来たとき、母だったらどういう反応をするのかと、自分自身のことも想像しながら、色々と考える機会も持てた一冊だった。私にとって母は、友だちでありライバルであり人生の先輩であり、そして家族である。2012/12/21